さくら優勝の影で…諸見里しのぶ、金田久美子らシード喪失
2014年 大王製紙エリエールレディスオープン
期間:11/20〜11/23 場所:エリエールGC(香川)
横峯さくら 夫に“逆ギレ”しながらも・・・最後は泣いた、笑った!
今年4月に入籍した横峯さくらが、夫人となって初優勝を果たした。国内女子ツアー「大王製紙エリエールレディスオープン」の最終日を首位と2打差の2位で出ると、4バーディ、ノーボギーの「68」でラウンドし、通算18アンダーでツアー通算23勝目を果たした。
横峯は次週、来季の米国ツアー挑戦をかけたQT出場のため渡米予定。次週のツアー最終戦「LPGAツアー選手権リコーカップ」には出場せず、横峯にとって今季国内最終戦となった今週で有終のフィニッシュを飾ってみせた。
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夫でメンタルトレーナーの森川陽太郎さんとは毎週、試合日前夜に目標スコアや翌日のテーマを決めている。たとえば「周囲を良く見渡すこと」、「歩くリズムに気をつける」など、森川さんが書いたメモを横峯が確認する流れになっている。
今週の戦いを前に森川さんは、初日に出遅れる傾向が強い横峯にある提案を持ちかけた。いつも(1日)3アンダー程度を目標にしているが、今週は4日間で16アンダーを目指さないかと。すると横峯は「・・・ってことは1日4アンダーだね?」というと「いや、あえて初日から7アンダーを目標にしよう」と切り返したという。
これには「私としては2つ返事で受け入れることは出来なかった」と、横峯もビックリ。しかし森川さんは、横峯の試合に入るモチベーションが低いことを挙げながら、たとえ目標に届かなくてもプレッシャーを与え、やる気を出させる作戦を進めた。初日の結果は3アンダーの11位タイ。「さすがに7アンダーは無理でしたが、出遅れなかったので作戦は成功ですかね」と、横峯も納得の表情だった。
ところが、続く2日目、3日目と変わらず、森川さんは「1日7アンダー」という設定を横峯に課し続けた。連日の高い目標数字に、横峯もさすがに「それは無理!」と本気で反論したという。対する森川さんも一歩も引けを取らない。夫婦の言い合いは続いたが、最終的には横峯が納得する形で折れ、3日目は、ついに目標達成の7アンダー「65」をマーク。最終日に向けても、最高の流れを築いた。
「いい位置なので優勝したい」と意気込んで臨んだ最終日も、目標は7アンダー。この日は4アンダー止まりとなったが、終わってみれば4日間の目標ラインを越える通算18アンダーで、リーダーボードの頂点に登り詰めた。「苦しかったです。今週は夫に苦しめられました(笑)」。陽太郎さんから課せられた重圧と、それをはねのけてつかんだ勝利に感無量。優勝を決めた瞬間、横峯は安堵と喜びが入り交じった大粒の涙をこぼした。
「目標の高さに悩まされ、寝不足ぎみですが、主人も私にキレられて辛かったと思います」。すべては、今週のラストゲームで優勝を手にするため。まさに夫婦2人で戦い、勝ち取った記念すべき初勝利となった。(香川県三豊市/本橋英治)