辻村明須香、今年だめなら第2の人生も・・・
2003年度LPGAプロテスト
2003年度LPGAプロテストが、7月29日(火)から31日(木)までの3日間、千葉県の茂原カントリー倶楽部で開催された。1、2次予選を突破し、今年のプロテストに駒を進めたのは112名。そのうちめでたくプロになれるのは、成績上位から20位タイまでと狭き門となっている。なお女子プロテストのトップ合格者には「ヨネックスレディス」から11試合のトーナメント出場権が与えられる。
大会期間中は悪天候に見舞われ、各選手スコアが伸び悩む中、2日目を終了した時点で4アンダー単独トップに立ったのは、今年で2回目の受験となる21歳の蔭山友美であった。
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そしてむかえた最終ラウンド、この日は朝から晴れており、夏の日差しが戻ってきたかに思われたが。午後になると雲行きが怪しくなり雷雲が接近。このためプレーが一時中断され、この時点で6組18名の選手たちがまだホールアウトできない状態でいた。しばらくして天候も回復し、この日のうちに無事全員がホールアウトした。この3日間、天候に左右され難しい環境の中、川原由維、大久保夢未、蔭山友美の3名が通算3アンダー213ストロークでホールアウト。LPGAプロテスト規定により、最終日のスコア69をマークした川原由維が見事トップ合格を果たした。
川原は最終18番ホールでカップ横につけた6メートルのバーディパットを決め、トップ合格に結びついたわけだが、このパットも「横につけていたので、入れにはいっていなかった」とコメント。無欲のパットが功を奏したといえよう。
今年で5年連続の挑戦となる川原は、「運にも恵まれたと思います。合格して本当に嬉しいです!」と嬉しさいっぱいの顔で表現。「今年は合格ラインを気にせず、いつもどおりのプレーができたことが良い結果につながったと思います。今回不合格だったらプロテストの受験をやめ、クオリファイトーナメントだけに専念しようかと考えていました。プロになってからの抱負は、ガンガン飛ばして攻めれるプロになりたいと思います」川原は身長150㎝と小柄ではあるが、悪天候の中、通算3アンダーでラウンドした実力は評価できる。今年権利として得たトーナメント11試合で好成績を収め、来年のシード権を手に入れられるのか注目である。
また、今年の注目選手として、2001年、2002年と日本女子学生選手権を連覇した古谷京子。そしてもう一人、ステップアップツアー徳島・月の宮レディースカップで3位に入る活躍を見せた辻村明須香。容姿、実力とも今後人気を集めると思われる二人が、最終日同じ組でラウンド。古谷は2オーバー、辻村は1アンダーでプロのライセンスを手に入れた。
辻村は、15番まで3アンダーとトップ合格を十分に狙える位置だった。しかし雷雲による一時中断でリズムを崩したのか、16番で痛恨のダブルボギーを叩いてしまった。試合後のインタビューでは「トップ合格を狙っていただけにくやしい!」とコメント。プロになってからの抱負も「トーナメントで結果を出し、はやくシード権を取りたい」と闘志を燃やしていた。これからも持ち前の負けん気でトーナメントでの活躍を期待したい。
今年の女子プロテスト結果は4オーバーまでの22名が合格を果たした。合格ラインギリギリで先にホールアウトし、期待と不安で最終組を待った者。あと1打及ばず涙を飲んだ者。合格した選手のなかには、まだ実感が沸かなく、どう表現したらよいのか分からない者など、この空間に様々な人間模様が垣間見えた。
クラブを握ると勝負師の顔つきになるが、試合が終われば普通の女性に早変わり。合格者が決まり、緊張もほぐれたのか、このプロテストによって新たにできた仲間と携帯番号を交換したりと、会場を和やかなムードに包んだ。