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「一番悔しかった」シード喪失を乗り越えた大里桃子 成長を証明した3勝目

◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープン最終日(9日)◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫)◇6526yd(パー72)◇曇り時々雨(観衆4434人)

両手を下げ、天を仰いだ大里桃子が大きく息を吐いた。

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最終18番。1.5mのパットを沈め、優勝にふさわしいバーディフィニッシュだった。「ガッツポーズをしたかったけど、出なかった。“やっと終わった~”ってなって。それが一番悔しいです」。後半15番の3m、16番(パー3)の8mと勝負どころのバーディ奪取で見せたガッツポーズを忘れるほど解放感が先立った。

2018年「CATレディス」のツアー初優勝は「勢い」だった。2021年「ほけんの窓口レディス」の2勝目は号泣した。手が動かなくなるほどのパットの悩みと向き合い、克服した喜びがあった。今回は少し泣いた。「垂れるぐらい(涙が)出るんじゃないかと思ったけど、思ったほど出なかった」と首をひねるが、きっとそれだけ強くなっていた。

4シーズン保持したシードを、昨季で落とした。「2勝目の前はシードを守れたのに、昨年は守れなかった。正直、それが一番悔しかった」。ショットがボロボロでメルセデスランキングは86位。「ゴルフ、やめよっかな」とつぶやいた時もあった。

トンネル脱出の糸口は、技術的には球筋の変更。ドローからフェードへ。昨夏の「日本女子オープン」予選会で「フェードが打ちやすそうなホールで“ちょっとやってみるか”と」。その後の2ホールも連続して試すとうまくいった。「もしかしたら、いけるんじゃね?」と真剣に取り組みだした。

ネガティブだった心は、シード落ちの屈辱を「守るものがなくなった」と開き直りに変えた。読書と一切無縁の人生を送ってきたが、一冊の本と出合った。いわゆる「メンタル本」だという。子供の頃、学校の先生に言われた時のように、印象的なフレーズに蛍光ペンで線を引いた。メモもとった。親が「どうしたの?」と驚くほど、支えになる言葉を求めた。

「今週は取り組んできたスイングがうまくいって、不安がなくなって、最後まで気持ちよくクラブを振れました。昨年のゴルフがウソのようにうまくいきました」

1998年度生まれの“黄金世代”の一人。今季は臼井麗香小祝さくら天本ハルカ、先週「ヨネックスレディス」の新垣比菜に続き、5人目の同世代優勝者になった。「ヒナちゃん(新垣)の姿を見て“優勝っていいな”と思った。タイミング良く(同週の全米女子オープン)で渋野(日向子)も2位になって」。刺激をもらい、今大会の優勝で初メジャーとなる「AIG女子オープン(全英女子)」(8月22日開幕/スコットランド・セントアンドリュース オールドコース)の出場権もゲットした。

「まずはパスポート。明日、熊本の実家に帰るので手続きしないと」とおどけた。海外に出るのは高校以来。仲良しで全英歴代覇者の渋野に連絡をするつもりだ。「ぜひ練習ラウンドを一緒にしてもらいたい。経験者にいろいろ教えてもらいたいです」。プロ9年目、25歳にして大里のゴルフ人生が大きく開けてきた。(神戸市北区/加藤裕一)

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