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昨季より「しんどかった」 飽くなき探究心で来季へ/山下美夢有インタビュー(前編)

山下美夢有が昨季と同じ5勝を挙げ、2年連続の年間女王に輝いた。国内女子ツアーで最も小柄な150cmの22歳が、平均ストロークでツアー新記録の「69.4322」を樹立し、史上初の2年連続60台をマーク。それでも、満足しない。“国内最強女子”は、この先どのような未来を描いているのか。インタビュー前編では、今季の振り返りと今後の強化ポイントを聞いた。(聞き手/構成・加藤裕一)

2年連続の苦しみと経験

―2年連続女王やけど、今季と昨季はどう違った?
「シーズンが終わって、今の疲れは今年の方があります。去年は夏に疲れが出て、今年も夏は疲れたんですけど、特に後半戦がしんどかったです」

―追われる立場やったし
「去年はなかったですよね。追われる立場は一番きついです。追いかけるんはラク。「追いつかなあかん」と思ってやるだけなんで。でも、上におったら周りに(トップにいるけど、とか)言われたりして。そんなん気にしてなかったんですけど、やっぱり…なかなか調子が上がらへんし、考えてもうたりしました」

―昨年は独走。今年は申ジエ(韓国)や岩井明愛ら年下に追い上げられる展開があった
「去年は後半戦でグッと行って調子が上がって、(11月上旬)伊藤園レディスで優勝して(女王が)決まったやないですか。今年は後半戦がなかなか…優勝できんかったり、上位で戦えんかったんで」

―でも、それってすごくええ経験ちゃう?
「今はそう思いますね。あの緊張感の中でも思い切ってプレーできて、最終戦で優勝できて。調子悪かったのに、最終戦でいいプレーできたんはうれしかったです」

ショットもパットもダメだった

―上位で戦えんかった? 戦ってたでしょ
「うーん、やっぱり納得いくショットが打てんくて、めっちゃ考えることが多かったですし」

―そう言うたら「グリーンに乗ってるけど…」とようこぼしてたね
「そうなんです。グリーンに乗っても全然ピンに寄らんかった。絡むショットが打てんかった。特に得意の100ydぐらいの距離が1ピン以内につかへんで、5、6mとか残ってしまうことが多くて」

―はたから見れば「そういう時もあるがな」と思うけど
「そう思いますよね。でも、私はやっぱり技術的な問題やと思ってました」

―ただ技術面で言うたら、ショットより、むしろパットやったんちゃう?
「あー、そうですね。今年一番の悩みはグリーン上でした。悩んでパターを何本も替え過ぎたから、おかしくなったんかなあ。良くなるんやなくて、逆にって感じでした」

―パターはジュニアの頃はずっとブレードタイプやったけど、今は2ボールとか
「そう。今は2ボールとかマレットです。そのタイプでいろいろ替えました」

―序盤はすごく「3パットが…」って言うてたね。今年、3パット何個か知ってる?
「えっ、調べてくれはったんですか? 何個でした? 去年と比べてとか、知りたいです」

―昨年43個(33試合)、今年42個(32試合)。ほぼ一緒やけど、今年は序盤がひどくて、1試合3個やったりするのが5回もあったね
「そうなんや。そうか、あんまり全体に差はないんですね。ただ、確かに今年は序盤の印象が強いっていうのはありましたね」

「69.4322」ゆえの不満

―話を聞いてると、すごく不満そうに聞こえるけど、平均ストロークは昨年(69.9714)から0.5ストローク以上も縮まってる。70切るレベルでよ? めちゃくちゃすごいがな
「うーん、でも、そんな実感ないんですよね。やっぱり、ショットもパットも悪かったっていうか…」

―技術も経験も上がってるから、求めるもんも上がってまう。だから不満も増える?
「それ、めっちゃあると思いますわ」

―しかし、まだダメなんや。ツアープロって大変な仕事やね
「(笑い)でも、そこは楽しいんですよ。腹立つんやけど、より高いレベルを求めていける。それがあるから、やれてるなと思ってます」

もっと体を鍛えたい

―一言で技術いうてもたくさんある。中でも何を重視して磨きたい?
「まずは、もっと体を強化したいです」

―2020年のプロデビュー時と比べたら、体は大きくなったし、しっかりしてきてるでしょ?
「いやあ、今はただ太っただけいうか。ほんまにしっかりしてへんのですよ。体の中に『芯』がない。だから、どうしてもスイングも、ショットもブレるんです」

―体幹を生かしたスイング、定評あると思うけど
「うーん、でも、まだまだです」

―オフはどんなトレーニングで? ジムワークはせんのでしょ? 自重を使って?
「はい。ジムは行きません。ポリタンク(に水を入れて)とか(足首に巻く)パワーベルトとかはもう使ってませんけど、このオフはお世話になっているトレーナーさんがいるんで、メニュー組んでもらってやっていきます」

―で、体幹の強化を意識して
「そうですね、体幹です。思い切り振って打つと、球は左右にブレますよね。だから、7割、8割の力で振れるようにしたいんです。飛距離(を伸ばすの)とかは別にええんです。軽く振って、周りからもそう見えて、それでも今の飛距離がちゃんと出る。球筋も安定するように。思い切り振らずにどれだけコントロールできるか、です」

(取材協力/兵庫・六甲国際ゴルフ倶楽部

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