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シード落ちの渡邉彩香 迷って出たQT「好きなゴルフを散歩のつもりで」

◇国内女子◇QTファイナルステージ 3日目(30日)◇葛城GC宇刈コース(静岡)◇6421yd(パー72)

初日も風、きのうも風、この日も風が吹いた。厳しいコンディションに加え、競技は優勝を争うトーナメントではなく、来季ツアー前半戦の出場権を決めるもの。つまり生活権の奪い合いだ。渡邉彩香は「QTはその場の結果に一喜一憂してしまう感じがあって」とこぼす。

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心静かに、フラットに回るため、ある言葉を胸にプレーした。「散歩のつもりで回ればいい。散歩に順位はつかないじゃん。勝った、負けたなんてないじゃん」―。コロナ禍直撃の2020年6月、5年ぶりの復活優勝を飾った“開幕戦”「アース・モンダミンカップ」で、プロキャディの川口淳氏はそう言ってくれた。

渡邉は「あの時の気持ちを思い出していた」という。川口氏とはシード落ちが決まった2週前の「大王製紙エリエールレディース」を機にコンビを解消したものの、さすが“長年の相棒”のセリフには含蓄がある。

“合格圏内”と見られる35位前後フィニッシュへ。2オーバー44位から出たこの日、3バーディ、2ボギーと平たい内容の「71」で1オーバー31位に浮上した。

プロ12年目、30歳でシード落ちが決まった2週前、一時はQTの欠場も考えた。「あの時はやり切った感じがあったんですが、周りの意見を聞いて“まだできることがあるんじゃないか”と思って」。何より、気がつけばゴルフの練習に足を運んでいた。「私は、なんだかんだ言って好きなんだなと。今回は“好きなゴルフ”をやりに来ました」。イラつき、焦りの感情はあまりなく、3日間を終えられた。残り一日も、好きなゴルフを散歩のように楽しみたい。(静岡県袋井市/加藤裕一)

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