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重圧はねのけての連続女王 山下美夢有が掲げる「海外メジャー」と「パリ五輪」

◇国内女子メジャー◇JLPGAツアー選手権リコーカップ 最終日(26日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6497yd(パー72)◇晴れ(観衆3837人)

大会連覇して、2年連続での女王戴冠―。のしかかる快挙達成へのプレッシャーで最終日は「やっぱり去年よりも緊張はすごくしていた」と山下美夢有は吐露する。「でも予選2日間(メルセデスランキング2位の)申ジエさんと回らせていただいて、さらに自分らしいプレーに戻せたという感覚が出てきて。『自信を持って最終日は挑もう』とティイングエリアに立ちました」と話した。

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史上最年少で年間女王になった昨季を経て、プロ4年目に立てた目標は「海外メジャー」への挑戦だった。宣言通りにスケジュールを組み立てたが、7月「全米女子オープン」はカットラインに3打届かず予選落ち。国内1試合を挟んだ後の「アムンディ エビアン選手権」は48位、8月「AIG女子オープン(全英女子)」は21位。予選通過こそしたが、上位には食い込めず、悔しさが残った。

「前半戦は4勝して、いいスタートでした。でも、海外に行って帰ってきてからあまり自分らしいプレーができなくて。持ち球はドローなんですけど、向こうのコースがフェードで攻めていくようなセッティングで、ピンに寄せられないことが多かった」。少しショットの方向性を見直した。そのわずかな欲求心が、後半戦の“行き詰まり”につながったと自己分析する。

「プレースタイルをちょっと変えたらリズムだったり、なんか考えすぎるようになっちゃった。ドローを嫌がってフェード気味の球が出るようになったり、逆球が出るようになって。その辺が急に変えてしまった部分のよくなかったところ」。10月半ばからスイングの再確認、再調整に踏み切った。

10月「富士通レディース」で5位、翌週の「マスターズGCレディス」、「樋口久子 三菱電機レディス」をともに2位。ショットの精度を完全に満足いく状態には戻せなかったが、徐々に調子を上げて迎えた最終戦。難コースの宮崎CCを通算10アンダーで制した。シーズンの平均ストローク「69.4322」は前人未到の2季連続60台、19年の申ジエ(69.9399)をしのぐツアー新記録。1988年のツアー制施行後で史上4人目(※)の2年連続の年間5勝を達成した。

苦しみ迷って、昨季の自分を超えた。山下の夢は広がる。「来年はメジャーでいい成績を出せるようにしっかり準備をして、優勝争いをできるように。上位で戦えるようにしたい」とリベンジを誓った。

2024年には「パリ五輪」(女子は8月8日開幕/ル・ゴルフ・ナショナル)もある。「米ツアー挑戦とかまでは考えていないけど、オリンピックは出たい。日本代表として出られる試合。オリンピックはやっぱり特別だし、記念になる。代表になるためにも、来年も変わらずにできるように頑張りたい」

五輪出場権は世界ランキングに基づくオリンピックランキングで選手が決まる。出場枠60人が確定する6月24日はメジャー第3戦「全米女子プロゴルフ選手権」(ワシントン州サハリーCC)終了時。日本勢は上位15位までに4人以上入れば4枠になるが、16位以下は最大2枠の奪い合いだ。山下の世界ランクは現在、畑岡奈紗に次ぐ2番手。今年以上にハードで、やりがいのあるシーズンが待っている。(宮崎市/石井操)

不動裕理(2003年~05年)、宮里藍(04年~05年)、イ・ボミ(15年~16年)

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