「全然ホッとしていない」 馬場咲希は月末から米ツアー最終予選会へ
「きつかった」 高木優奈は6年越しの合格にうれし涙
◇国内女子◇最終プロテスト 最終日(3日)◇JFE瀬戸内海GC (岡山)◇6419yd(パー72)
念願のプロテスト合格に、高木優奈はうれし涙を流した。初受験から6年。全て最終ステージまで進出したのに届かないでいた合格ラインをようやく突破し、「途中カットラインが気になったけど速報ボードなんて見られなかった。同組の2人(馬場咲希と清本美波)は“ガン見”していて。『よく見られるね』なんて。そりゃ(受験)1回目と6回目は違いますね」と笑って振り返った。
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今回と同じJFE瀬戸内海GCで行われた2019年、最終日に「80」の大たたきをした。当時は24位タイからのラスト18ホール。今回の9アンダー3位からのスタートと状況は大きく違うが「足元がフワフワ」していた。「スタートホールで右に曲げて。今回もティショットが右に行っちゃって『何も変わってないんじゃないか』って」。辛酸をなめた過去が脳裏をよぎった。
そんな負の要素も影響したのか、5番、6番(パー5)の2連続ボギーで最初にスコアが動いた。「きつかった。全然バーディチャンスがなくて、ボギーを打った後も我慢しながら。ようやく9番でバーディが来て。『ここで受からなかったら、一生受からないだろう』とは思った」。ピン奥から3mを沈め、力強く拳を握った。
「落ちたら欧州ツアーの予選会を受けようとしていて、エントリーもしていた。オーストラリアオープンにも出ようと。でも本当に行きたくなくて、どうしても日本でやりたいって」
2019年に下部ステップアップツアーで優勝を遂げ、コロナ禍で統合された20-21年シーズンはレギュラーツアー45試合に参戦した。その後、ツアーの出場権を争うQT(予選会)の受験資格が国内女子ツアーの正会員に限定され、一度フィールドを去った。今回、自力で再び門戸をこじ開け、喜びをかみ締めた。「試合に出られる」
畑岡奈紗や勝みなみ、渋野日向子らと同学年の25歳。まずは戦いの場を整えるためにも、21日(火)から始まる2024年シーズンのQTのファーストステージを通過し、28日(火)からのファイナルステージ(静岡・葛城GC宇刈C)で結果を出すことが目下の課題となる。
「ファーストで落ちたらあまり意味がない。きちんとファイナルに行けるようにもう一度気を引き締めて。序盤からレギュラーツアーに出られるように頑張りたい」とエンジンをかけ直す。
そうは言っても、やっぱり喜びたい。「気を引き締めなきゃいけないのは重々承知だけど…。ボギー2つたたいたところからよく2アンダー(70)にできたなって。自分ながら“偉い”って。4年前とは変わっていました。2日くらいは喜びに浸ろうかな。できれば1週間は浸りたいところだけど」と頬を緩めた。(岡山県笠岡市/石井操)
<高木優奈のプロテスト戦歴>
年度 順位/成績(カットライン) コース
2023年 4/-11(-5) 岡山・JFE瀬戸内海GC
2022年 63T/+13(+3) 茨城・大洗GC
2021年 22T/+5(+4) 京都・城陽CC
2020年 未受験(※2021年6月実施)
2019年 55T/+9(+1) 岡山・JFE瀬戸内海GC
2018年 79T/+8(-8) 兵庫・チェリーヒルズGC
2017年 53T/+6(-2) 富山・小杉CC