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涙と笑顔のイ・ボミ最後の一日 “全盛期”のショットも披露

◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 2日目(20日)◇マスターズGCレディース(兵庫)◇6495yd(パー72)◇曇り(観衆2985人)

イ・ボミ(韓国)が日本ツアーでの競技生活に終止符を打った。初日「83」をたたいて11オーバー107位で迎えた2日目。練習グリーンから1番のティイングエリアに向かう途中で、涙をこぼすファンの姿に思わず瞳を濡らした。「昔7歳ぐらいだった子たちが中学生になって、いま楽しそうにゴルフをしていて。その子たちの涙を見たら泣いちゃった。最後のプレーを見せることになって悲しませたけど、その子たちの勉強になるようにプレーしようと思った」

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ドライバーショットは力強くフェアウェイへ。一度は笑顔を見せたものの同組で回る上田桃子と肩を寄せ合うと涙をこぼし、ギャラリーからの歓声と拍手を浴びながら歩き出した。

1番はピン右3mのバーディパットを惜しくも外したが、2番でスーパーショットを見せた。フェアウェイからピンまで128yd。9番アイアンの一振りはベタピンの“OKバーディ”となった。「一番好きな距離をいいショットできた。体の感じや手の感触に、これが私のアイアンショットって。あのショットが打ててうれしかった」。4年ぶりにタッグを組んだ清水重憲キャディも「全盛期のボミプロのショットが見られました」と喜んだ。

国内ツアーからの引退表明以降も思い通りに振れないスイングに悩んできた。「昨日(小祝)さくらちゃんのスイングを見ていたら、しっかり足腰に力を使っていて。私もきょうはお腹、お尻に力を入れて打とう」とショットへの意識を変えた。

雨が降り出した後半インはパープレーで耐え続けた。終盤17番(パー3)ではティショットをグリーン左のバンカーに外すショットミス。パーパットは残り4m。打った感触は「弱い」と思った。前日もカップに蹴られるなど手痛いパットが多かったが、スライスラインを描き、カップ左で止まりかけ、一拍置いてコロンと入った。「いい選手だったって自分で思えるように」と深呼吸をして臨んだ最終18番もパーで締めて2バーディ、2ボギー。3月「アクサレディス」第1R以来、今季2度目のパープレーにまとめた。「なぜ初日があんなスコアなんだ、とは思います」。ツアー自己ワースト「83」をたたいた初日が嘘のようなプレーぶりだった。

この日は同組で回る上田、小祝がともに自分のイメージカラーのピンク色のウェアで臨んでくれた。ピンクのTシャツやタオルを振って応援する大勢のファンもいた。「(引退表明した時は)上位で回って日曜日までいる姿を想像していたけど、それはできなかった。でも、想像していたよりも幸せ」。粋なサプライズに心が満たされた。母国を離れ、歩んできた年月は楽しいことばかりではなかった。それでも、たくさんの「ありがとう」の言葉を浴びながらのラストラウンドは、両手を上げて笑顔で締めた。(兵庫県三木市/石井操)

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2023年 NOBUTA GROUP マスターズGCレディース



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