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ギャラリーの声援も味方に 「アイドルになりきった」菅沼菜々が初の頂点

◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 最終日(13日)◇軽井沢72G 北コース(長野)◇6702yd(パー72)◇晴れ(観衆3051人)

「自分を見に来てくださっている方のために、アイドルになりきってやりました。私、アイドルが好きなので」―。3打差の単独首位で迎えた最終日。大勢のギャラリーに囲まれた最終組の菅沼菜々は、プロゴルファーというより、ゴルフ界のアイドルとしてプレーした。

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3年前から応援しているアイドルグループ「乃木坂46」をモデルに、日々、写真を撮られる際の角度やポージングを研究している。これまでもコース上で“体育座り”などを披露してきた。「(私は)全然可愛くないんですけど、アイドルみたいなプロゴルファーがいてもいい。『可愛くない』って言う人もいるんですけど、『可愛い』って言ってくれる人のためにやっています」。初優勝のかかったプレッシャーのかかる一日も、スタイルは崩さなかった。

この日は同組の神谷そらが前半で3バーディを奪い、3打のリードが前半で1打差に迫られた。思うようにスコアを伸ばせずフラストレーションが溜まっていったが、「アイドルなので、怒らないように笑顔でずっと頑張りました」と気持ちを保った。

最終18番でバーディを奪った神谷に並ばれた。プレーオフ1ホール目は、互いにボギー。2ホール目、ティショットをフェアウェイに置き、127ydの2打目をPWでピン1.5mに絡めた。バーディパットを沈めると、右手を天に向って突き上げた。「泣きそうだったけど、我慢した」とグリーン上を去るまでは笑顔を保っていたが、グリーンサイドにいた両親や、同い年でプロテスト同期の稲見萌寧と抱き合うと目に涙を浮かべた。

昨季はメルセデスランキング8位。トップ10は15回と安定して上位に入っていたが、優勝には届かなかった。「仲のいい選手が勝ったりして焦っていたこともあった。自分のゴルフをしようと思ってやっていたけど、置いていかれている感はありました」。稲見、仲良しの勝みなみ吉田優利らが優勝を重ねる姿を見て、もどかしさを抱えていたのは確かだ。

プロ転向6年目、ツアー通算127戦目(アマチュアで5戦)。26度のトップ10を経てつかんだ初優勝。時間がかかったからこそ、特別な思いが胸に込み上げてくる。「なかなか勝つことができなくてずっと悔しかった。『このまま勝てないかな』と思う時もあったけど、優勝することができて本当にうれしい」と笑顔が弾けた。

「早く2勝目を挙げたい」と次のタイトルに向けても“特別な存在”であり続ける。「私のような人はいないと思うので、他の人と被らないキャラでやっていきたい」。アイドルゴルファーを自認する23歳が、そう宣言した。(長野県軽井沢町/内山孝志朗)

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