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両親には「結果で恩返し」 山下美夢有がメルセデスランキング1位に浮上

◇国内女子◇ブリヂストンレディスオープン 最終日(21日)◇中京GC 石野コース (愛知)◇6573yd(パー71)◇晴れ(観衆5902人)

昨季年間女王の圧勝だった。山下美夢有は後続に2打差をつけてスタートし、同組の岩井明愛が4番でダブルボギー、鈴木愛が6番でトリプルボギーと失速したのと対称的に、ボギーなしの6バーディ「65」。通算18アンダーで2位に7打差をつけてフィニッシュした。

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前週の「RKB×三井松島レディス」は、プレーオフで岩井千怜に負けて泣いた。昨年「サロンパスカップ」で達成した“母の日優勝”を逃した。「私が出来るのは結果で恩返し。負けて悔しかったのはある」と屈辱をにじませたが、母有貴さんからの「よう頑張った」と言われて気持ちを切り替えた。

「優勝したかったけど、プレーに入ったらあまり考えずに“どうやったらバーディが取れるのか”と集中した」。出だし1番に続き4番パー3は6Iでピン30センチにつけて、序盤で2バーディ。8番は157ydを7Iで手前3mにつけてバーディを奪い、折り返し時点で2位の岩井明に5打差をつけた。

「出だしでバーディが取れていいリズムで回れた。後半も10番、11番でバーディが取れて流れ良く回れていると思った」。この日グリーンを外したのは2ホールだけで、4日間通算のパーオン率は1位の83%(60/72)。「自分らしい」高精度なショットでツアー8勝目を手繰り寄せた。

年間女王を決めるメルセデスランキングは申ジエを抜いて1位に浮上。4位だった賞金ランクも5977万円でトップに立った。「今年は海外メジャーにも挑戦したいと思っているので、ポイントとかは考えていない。調子を上げていければ」。4月の海外メジャー初戦「シェブロン選手権」こそ調子が上がらず出場を見送ったが、6月22日開幕の第2戦「全米女子プロ選手権」以降の残り4戦への準備は整いつつある。

山下の活躍を何より喜んでいるのは応援にかけつけた両親だ。有貴さんは「母の日」に、山下、弟で昨年男子下部ツアーアマチュア優勝を飾った近大ゴルフ部の勝将さん、高校で本格的にゴルフを始めた末っ子の蘭さんの三人からピンク色の明るい花束をもらったという。

有貴さんは「誕生日にはネックレスをくれて。そういうのをしてくれる。本当に言うことないです。(美夢有が)去年の母の日にサロンパスで勝ってくれて、今年は父の日も頑張ろーって」とうれしそうに話す。

コーチでもある父勝臣さんに贈る優勝は、今年の父の日、6月18日が最終日の「ニチレイレディス」か…。今年も国内ツアーの先頭に立った女王には、そんな出来過ぎのシナリオだって夢ではない。(愛知県豊田市/石井操)

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