休養中の有村智恵、地元大会にスポット参戦する

◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 事前(13日)◇熊本空港CC（熊本県）◇6623yd（パー72）

昨秋に妊活を理由に一時休養を発表した有村智恵が地元大会にスポット参戦する。「1カ月ぐらい前に、もしかしたら…」と生まれた、大会の推薦による出場は「この2、3週間」で大きく動き出し、実現に至った。

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もちろん、昨年11月「大王製紙エリエールレディスオープン」以来の試合。「プロゴルファーとして試合に出るからには、結果は求めたい」と強いまなざしで語る。その反面、「こんな状態で試合に出るのは今までの人生で一回もない。正直、これで出ていいのかなと悩んだりもした」と実戦への不安な気持ちは大きい。

「これまでは自分である程度、体を作り上げてから行っていたけれど、いまは去年の11月から3、4カ月は何もせず。体を作れない状態だった。もちろん最低限のやらなければというポイントは経験値であるけど、体が伴っていない。最大の敵は去年の自分。今の自分とどう向き合えるかが課題だと思う」。スコア次第では同伴競技者に迷惑をかけるかも――。そんな胸騒ぎもある。

開幕前日はプロアマ戦に出場した

出場しなくても、会場に来るつもりはあった。ただ、やっぱりプレーすることで周囲への期待に応えたかった。「2月に熊本に帰ったとき、周囲がことしのバンテリンに誰が出場するのか、何人ぐらい出るのかという話で持ち切りだった。自分のわがままではあるけど周りの人たちが(出場を)楽しみにしてくれているのもあって。頑張ってみるかって」

出場にあたって「自分の中にあったゴルフの怖さをたくさん払しょく出来たら」と秘める願望がある。「正直ツアー生活から離れると決めて、失うものがない。この時期は開幕してまだ7戦目で、今までだったらシーズン通しての結果が大事なので夏場に向けての緊張感があった。でも、予選落ちしてもダメージはないし、失うものがないからこそどんなプレーが出来るかなって。結果を求めすぎて怖がっていたところもあるので、この試合でそれを払しょくしたい。今まで見えなかった景色が見えるのではないかな」

35歳の初戦を複雑な心境で迎える。「でも、自分もいろんな理由が合ってツアーから離れている。人生経験をみんなに見せていきたい。いろんな姿を見せるのは良いこと、と思いながら回っていきたい」。ひとりの女性アスリートとして、姿勢よく立っていた。(熊本県菊陽町／石井操)