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“金言”を胸に「やり切るしかない」 植竹希望がツアー初V

◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 最終日(17日)◇熊本空港CC(熊本県)◇6499yd(パー72)

1打差2位で出た植竹希望が4バーディ、3ボギーの「71」で回り、通算8アンダーでホールアウト。西村優菜吉田優利小倉彩愛との2時間6ホールのプレーオフを制して、念願のツアー初優勝を飾った。「1日が長かった。うれしいの一言。ずっと勝てなかったので」と笑みがこぼれた。

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最終組で回った18ホールは「しんどいゴルフだった。(結果的に)優勝はできたんですけどボギーが多かったので、次の優勝争いではノーボギーであがれたら」と振り返る。

3000人を超えるギャラリーの視線を釘付けにしたプレーオフは「やり切るしかない」と割り切って臨んだ。1ホール目で西村が、2ホール目で小倉が脱落した。

吉田優利と一歩も譲らずに6ホール目に突入。ティショットをフェアウェイに運び、208yd の2オンを狙った2打目はグリーン右手前のバンカーに入ったが、落ち着いてピン2mの位置に寄せた。

吉田が先にパーパットを決めたが、ストレートラインのバーディパットを沈めて死闘に決着をつけた。花粉症対策のマスクを外し、「最高に気持ちよかった」と喜びを爆発させた。直後、「たくさんケンカもしたけど、何をしても恩を返しきれない。一番尊敬する人」という母・和美さんが目頭を押さえる姿を遠くに見つけ、大粒の涙があふれ出した。

最終日の前夜には、女子プロゴルファーの森口祐子からメールが届いたという。「人のゴルフは自分では変えることができないから、自分のことにだけ集中してプレーしなさい」。ツアー41勝の偉大な先輩の“金言”を心に刻んだ末につかんだ勝利だった。

2017年のプロテストに合格したが、20-21年シーズン(賞金ランキング33位)までは結果が出なかった。渋野日向子ら実力者が揃う1998年度生まれの“黄金世代”が次々に優勝を重ねていく中で、もがき苦しみ、ようやく見ることができた勝者の景色。

初優勝の余韻に浸りつつ、早くも次を見据えている。「次早く勝てるように練習しないと。『1勝で終わったね』と言われるのが悔しいので、2勝目を挙げたい気持ちが強いですね」

まずは国内、その後は海外ツアーへの参戦も視野に入れる23歳。この勝利は、さらなる飛躍への第一歩だ。(熊本県菊陽町/内山孝志朗)

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