初めての優勝スピーチ

◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 最終日（6日）◇琉球GC（沖縄県）◇6590yd（パー72）

西郷真央が5打差を逆転し、ツアー初優勝を遂げた。2020-21年シーズンは50試合に出場してトップ5が14度。2位が7度と何度も肩を落としてきた。そのたびに「自分が思ったようなプレーができなかった」「うまく対応できなかった」「すごく不甲斐ないプレーだった」と悔しがってきた。

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時には「まだいい運を出せていないだけ」と持論を展開するときもあったが、帰りの車でプレーを思い返しては「悔しい気持ちになったことはありました」。それでも愚直に勝利を追い求めることができたのは、周囲からの応援や励ましの言葉があったからだという。

18番でバンカーに入れたが、パーでしのいだ

昨年9月「日本女子プロゴルフ選手権」では単独首位から出たが、2位でフィニッシュ。所在なげにしていると、ちょうど片付けをしていた藤田さいきから「大丈夫だよ、勝てるから」と声をかけられた。

以前、同組でプレーしてから、気にかけてもらっている先輩プロからの言葉に西郷は「その言葉を信じて、自分の練習も信じて、やり続けて優勝をつかむことができた」と話した。

昨年11月の「リコーカップ」では稲見萌寧の「大丈夫だよ」という優しい言葉に包み込まれた。師匠で男子プロの“ジャンボ”こと尾崎将司からの「しっかりやり続ければ結果はついてくるぞ」という言葉も胸に刻んできた。

驚きと安堵（あんど）にあふれた初優勝。西郷は「喜びの涙を流すにはまだちょっと早いかな」と泣かなかった。「うれし涙を流したことがない」と感情的にならないタイプでもあるが、「うれし涙を流せるぐらい、いい一年になったらいいな」と視線を移した。この経験を2勝目、3勝目につなげていく。(沖縄県南城市／石井操)