渋野日向子の涙の裏側 急逝の恩人に捧げる復活優勝
2021年 富士通レディース 2021
期間:10/15〜10/17 場所:東急セブンハンドレッドC(千葉)
2週連続Vへ 渋野日向子が「ドキッ」としたメッセージ
◇国内女子◇富士通レディース 事前(14日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6679yd(パー72)
2020年-21年シーズンに2週連続優勝を遂げたのはこれまで古江彩佳、稲見萌寧、西村優菜、小祝さくらの4人。前週「スタンレーレディス」で優勝した渋野日向子は「あの人たちがすごすぎて、その言葉がかなり色んな人の中で浮かんできているのかもしれないけど、私の中にはない」と言った。
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「優勝の次の週は変にプレッシャーがかかるとか2年前(2019年)はあったけど、今はない。予選を通過して、決勝に臨む感じです」
1年11カ月ぶりの勝利で、目の前で応援をしてくれるギャラリーがいないからなのかもしれない。課題に取り組んでいる最中という事情もあり、何がその心情を変えたのか明白ではないが、22歳になって手にした1勝は「ちょっとの自信」をくれたという。
「ドキッ」としたのは、稲見からのインスタグラムでのメッセージ。「『あなたが一番似合う場所』って、ちょっとうれしいなという書き方をしてくれた」という。
自宅に久々に届いた祝福の花に「去年だったかな、一緒に住むお祖母ちゃんから『最近、お花が届かないのが寂しいわ』と言われて。届いたのを写真に撮ってもらって、喜んでいるって聞いてうれしかったです」と明かした。
優勝2日後の12日(火)にはトレーニングなどを始動。翌日は天気が悪かったためラウンドせず、屋根がある練習場で調整した。開幕前日のこの日は初出場の舞台ということもあり、午前9時過ぎに到着し18ホールを回って、日没まで練習に励んだ。
「この優勝で何かが変わることは全くないですけど、だからといって調子に乗るとかもない。やるべきことは変わらないですし、今のことを継続していくことが大事」
11月25日~28日の今季最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」(宮崎CC)の出場権を手にしたが、同月29日からは米ツアーの予選会が控えており「(出場は)考え中」とする。
終盤戦に向けて「理想は毎週上位で終えること。安定感にもつながるし、欲をかいたら(4試合続いている)トップ10を続けていけたらいいな」と思い描いた。「やっとスタート地点に立てたという感じ」という渋野の目は強く、まっすぐ前を向いていた。(千葉市緑区/石井操)