2021年「ニッポンハムレディスクラシック」最終スコア
2021年 ニッポンハムレディスクラシック
期間:07/08〜07/11 場所:桂GC(北海道)
涙の初V 堀琴音「これで言えます」史上2組目の姉妹優勝
◇国内女子◇ニッポンハムレディスクラシック 最終日(11日)◇桂ゴルフ倶楽部(北海道)◇ 6763yd(パー72)
2011年、当時高校1年生だった堀琴音は「ニトリレディス」でプロデビューした姉の堀奈津佳の晴れ姿を観戦するため、桂ゴルフ倶楽部を訪れていた。「こんな難しいコースをアンダーで回るなんて無理」。その10年後、25歳は4日間終えて通算14アンダーで並んだ若林舞衣子をプレーオフで下してツアー初優勝を遂げた。「苦しかった時の思いとかがこみあげてきて、頭が真っ白になった」とうれし涙を流した。
<< 下に続く >>
出だしの1番でピン右2mを沈めてバーディ発進すると3番(パー5)も1m弱につけてスコアを伸ばしてトップに並んだ。前半は1打差とされて折り返し、一時はスタート時の2打差をつけられる苦しい時間が続いた。それでも14番(パー5)、15番の連続バーディで3度追いつき、「最後まで気持ちだけは強く、絶対に諦めない」との強い思いで最高の結果につなげた。
ゴルフは3学年上の姉をきっかけに7歳で始めた。プロになって勝利を重ねる姉に対して、琴音も勢いよくシード選手へとかけ上がったが、ツアー初勝利は近くて遠かった。「正直、私はもどかしかった。姉は2勝して私はしていない。『姉妹で優勝しています』と言えなかったけど、優勝できてこれで『姉妹で』って言える」。ツアーで姉妹で優勝したのは福嶋浩子と福嶋晃子に続き2組目となった。
次なる野望は姉と同じツアー2勝目を手にすること。「早く2勝目が欲しいという気持ちはあります」と早くも先を見据える。「姉と最終日最終組でプレーするとかどんな気持ちになるんだろう」と想像はできないが、幼少の頃に誓い合った「姉妹で優勝争いをしたい」という夢は健在だ。
この日、姉の奈津佳は昼の羽田発の飛行機に乗って会場に駆け付けた。今大会は予選落ちで帰宅していたが、「妹の初優勝はこの目で見たいと思って急きょ来た」とUターンしてきた。
妹の活躍を「今回、優勝するまでの間、苦しんでいる姿というか、つらい感情を持っている姿や頑張っている姿を見てきた。優勝できて素直にうれしかったです」と奈津佳。プレーオフを終えて対面すると抱擁し、琴音も「来てくれたってことは初優勝できるかもと思ってくれたと思うとうれしいです」と喜びを分かち合った。姉を追いかけて7年前にデビューした。その頃に思い描いた初優勝とは違ったが、「一生忘れない」と記憶を刻み込んだ。(北海道苫小牧市/石井操)