<2015年>師匠・岡本綾子からの“ひとり立ち” 服部真夕が歩く道
2021年 Skyレディース ABC杯
期間:06/29〜07/02 場所:ABCGC(兵庫)
2度目の復活優勝 イップスと向き合う服部真夕の左打ち
◇国内女子下部ステップアップツアー◇Skyレディース ABC杯 最終日(2日)◇ABCGC(兵庫県)◇6590yd(パー72)
“2度目の復活優勝”を遂げた服部真夕の頬を、涙が伝わった。レギュラーツアー5勝を誇る33歳が下部ツアーではありながら、自身6年ぶりの勝利をつかんだ。
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2007年のプロテストをトップで合格した逸材は、12年までに4勝を積み重ねた。しかし、翌年から勝ち星に見放される。「アプローチイップス」に陥っていた。
1度目の復活優勝は2015年8月の「CAT Ladies」だった。「達成感が湧いた」と涙なき4打差の圧勝だったが、「アプローチはいつ治るか分からない。お付き合いをしながらやっていきたい」と吐露していた。
不安は的中し、さらに長いトンネルに突入した。2018年には賞金ランキング82位に沈み、シード権を失った。
2019年に出場したレギュラーツアー8試合で全て予選落ちした後、密かに注目されたのはコロナ禍で20年の開幕戦となった「アース・モンダミンカップ」だった。左打ちのアプローチを実践していたのだ。
イップスを克服するための苦肉の策。服部は「アプローチとショットイップスになって、悩み抜きました」と振り返る。
この日もバッグに入る14本のうち、56度のウェッジ1本は左打ち用。3番と8番の2つのパー3で使ってきっちりと寄せ、パーセーブに成功した。
「バンカーは右でも打てるのに、右でのアプローチは本当に下手くそで…でも、これがいまの私のスタイル」
まだまだ、もがきながらの2度目の復活劇。下部の賞金ランクは3位に浮上し、2022年のレギュラーツアー前半戦の出場権が視野に入る。涙を流した後は「右でのアプローチには戻れる気がしないけど、レギュラーツアーには必ず戻りたい」と力を込めた。