植竹希望 プロフィール&ツアー戦績
2021年 ヤマハレディースオープン葛城
期間:04/01〜04/04 場所:葛城GC山名コース(静岡)
ショット力と忘れる力 植竹希望、遅れてきた「黄金世代」
◇国内女子◇ヤマハレディースオープン葛城 事前(31日)◇葛城ゴルフ倶楽部山名コース(静岡県)◇6564yd(パー72)
中学3年で出場した13年「スタジオアリス女子オープン」で優勝争いを演じた植竹希望は、17年にプロテスト合格を果たした黄金世代の一人。それでも、プロ転向後は17年から19年までレギュラーツアーで獲得賞金0円ともがいていた。
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だが、津曲泰弦やディネッシュ・チャンド(フィジー)ら男子プロと練習することが多かったというコロナ禍を経て、20年8月のステップアップツアー「rashink×RE SYU RYU/RKBレディース」でプロ初優勝を飾ると、レギュラーツアーでも「ゴルフ5レディス」6位、「TOTOジャパンクラシック」12位など、一気に880万円以上を稼ぎだした。
「男子プロとたくさん練習をさせてもらって、ショートゲームとか、球筋の打ち分け方とかを教えて頂いた。見て盗んだりするようなことも、自分に合っていたと思います」と、目の前で見る高い技術を、植竹は貪欲に吸収していった。「元々はドローヒッターだったけど、チャンド選手に『球を打ち分けられるようにならないと、2勝、3勝としていけないよ』と言われて、フェードも打てるように練習しました」と、今では球の打ち分けも得意分野だ。
JLPGAが発表しているスタッツ(アクサレディス終了時点)を見ると、2020-21年シーズンのパーオン率1位は75.24%の大山志保。2位に高橋彩華:74.95%、3位に稲見萌寧:74.40%、4位に岡山絵里:74.33%とショットメーカーが続いている。植竹は規定ラウンド数(※総消化ラウンド数の50%以上)に達していないためリストに含まれていないが、今季9試合に出場して75.92%。自身も「パーオン率1位が目標」と公言しており、ここまではトップ大山を上回る数字を残している。
昨年出場した「TOTOジャパンクラシック」で印象に残っていることがあるという。それは、最終日に同組で回った全美貞(韓国)のプレーぶりだ。「ドライバーショットをフェアウェイに置いて、グリーンに確実に乗せて、パターが入るか入らないかっていうゴルフ。たたく気配がまったくない。コースマネジメントや、ドローやフェード、高低の打ち分けとか、全部のレベルが数段違ったけれど、私がしたいゴルフをやっていて、私のやりたいことは間違っていないんだなって確かめられました」と、ノーボギーの7アンダー「65」で3位に入った全のプレーをしっかりと目に焼き付けた。
その一方で、課題はショートゲームと認識しており、ここ3年ほどは「いわゆるイップスで、ユーティリティでアプローチしたりしていた」とグリーン周りが鬼門だった。だが、その不安も「先週のアクサレディスでは全部SWでアプローチできました」と徐々に解消されつつある。すべてのパーツが高いレベルでハマる日も、近づいているはずだ。
■忘れる力はマイナス?それともプラス?
最後に「私、忘れ物がひどいんです」というエピソードをご紹介。「去年のスタンレーレディスは、2日目がトップスタートで、朝イチでコースに着いたらキャディバッグをホテルに忘れてきました。雨で中止になったから良かったですけど(笑)。それに、先週のアクサでは、朝の打撃練習をして、お手洗いでポケットに入れていたグローブを棚に置いたら忘れちゃって…。パター練習して、ティーイングエリアに行ってからないことに気がついて、キャディバッグを探しても予備が1枚も入っていなくて、それがスタート3分前。ダッシュしてロッカーまで取りに行って、スタート40秒前に戻ってきてアップ完了みたいな(笑)」
それでも、スコアカード誤記といった重大ミスは小学1年時の過大申告1回だけ。「それはめちゃくちゃ気を付けています」と胸を張る。岡本綾子は「ゴルフでは忘れる力も大切」という言葉を残しているが、植竹にとってもその力がプラスに働くことを期待しよう。(静岡県袋井市/今岡涼太)
◆植竹希望のクラブスペック
ドライバー:ヤマハ RMX 120 ドライバー(9.5度)
シャフト:三菱ケミカル ディアマナ ZF 60(硬さS、45インチ)
フェアウェイウッド:ヤマハ RMX フェアウェイウッド(3番15度、5番17度)
シャフト:三菱ケミカル ディアマナ ZF 60(硬さS)
ユーティリティ:ヤマハ RMXプロトタイプ(4番22度、5番25度)
シャフト:FST KBS Cテーパー 95(硬さR)
アイアン:ヤマハ RMX 020 アイアン(5番~PW)
シャフト:FST KBS Cテーパー 95(硬さR)