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祖父の言葉を胸に刻み 稲見萌寧が「忍耐」でつかんだ涙の勝利

◇国内女子◇明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ 最終日(14日)◇土佐CC(高知)◇6228yd(パー72)

2位に3打差をつけて出た最終日。稲見萌寧は「自分の調子は悪くないけど、風のジャッジが全部逆にハマって、悪い方、悪い方に行ってしまった」と苦しんだ。

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最大のピンチは、2つ落として折り返した後半10番。ティショットを右に曲げると、球は隣の15番ホールのラフに止まった。林に邪魔されて10番方向は狙えずに、2打目は15番ティ方向へ。3打目は7Iで木を越して10番に戻そうとしたものの、上がりきらずに木に当たり、斜面にポトリ。4打目でなんとかグリーンエッジまで運んで、寄せワンのボギーとした。

「あそこをボギーで終われて、チャンスがあると思えた。ダボやトリなら心くじけたと思うけど、まだ頑張れる、まだ頑張れると言い聞かせられた」と振り返った。オフに取り組んだキックボクシング効果もあり、「キャディさんと崖を登ったり、降りたり2往復くらいして、2ラウンドくらい回ってきたような疲労度だったけど、次の次のホールくらいには回復していた。足もちょっと強かったですね」と笑顔を見せた。

座右の銘は、ゴルフを始めるきっかけとなった父方の祖父にもらった「忍耐」という言葉。稲見がQT受験中の2018年に亡くなったが、「ゴルフというより、すべて辛いことに我慢して取り組めっていうことだと思うんです。色紙に書いてもらおうとしたけど、下書きの普通の紙になってしまって…」と、会見で思い出して涙ぐんだ。

最終日のスコアは4オーバー「76」。それでも、諦めずに優勝をつかみとった稲見は「最後まで諦めないで本当に良かった」と胸を張った。(高知県香南市/今岡涼太)

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