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教授から指導受ける立浦琴奈 科学的トライで合格目指す

新型コロナウイルスのため延期された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2020年度プロテストは今年3月、1次が5会場でスタートする。未曽有の事態の中、多くの選手が合格率「3.3%」ともされる狭き門に挑む。彼女たちは何を思い、クラブを握ってきたのか? その素顔に迫る。

■新鮮で衝撃的な指導内容…「感覚」の数値化

22歳の立浦琴奈は、19年秋に自分のプレースタイルを見直した。身に付いた「感覚」だけに頼らず、科学の見地からゴルフに取り組むようになった。「3回目のテストを2次で落ちて、その前からのスランプから抜け出したいという思いがありました。物心がついた時からクラブを握り、培ってきた感覚よりも、科学的な裏付けを持って取り組むようになりました」

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「変化」のきっかけは、ある教授との出会いだった。自身で新たなコーチを探す中、「福岡にゴルフを科学的に分析し、男子プロを指導している医師の教授がいる」との情報を聞きつけた。「すぐに調べて、会いに行きました。当時、女子の指導はあまりされていなかったようですが、お願いして受け入れてもらいました」

立浦いわく、教授の名前は「非公表」だが、その指導内容は新鮮で衝撃的だったという。「まず、クラブヘッドと遠心力の関係を教えてくださいました 。その上で自分の感覚とデータをすり合わせてくれました。つまり、感覚の数値化です。パットなら、この振り幅でこの傾斜なら何歩分が転がるかを記録していき、残したデータを基にラウンドに活用する。アプローチでも同様で、『だいたいこんな感じ』というショットはなくなりました」

スイングも大きく変わったという。それまでは、師事した指導者に影響されていたが、「癖も無駄な動きもない理にかなったスイングになりました。おかげで、左右に曲がっていたショットが安定するようになっていきました」

■「ゴルフサバイバル」優勝…「姉を抜かしたい」

好調ぶりは、結果にも出ている。ツアープロを目指す選手支援を目的にした団体「DSPE」の月例競技会では、通算ポイントで全30人中3位。昨年12月(千葉・山田GC)には、「68」の4アンダーで優勝している。ツアープロも出場していた「ゴルフサバイバル(6月の陣)」(BS日テレ)でも優勝経験があり、「DSPEに参加してからは、どんな試合よりもレベルの高い月例競技会に合わせて調整していますし、テレビマッチも真剣です。優勝した後は、ゴルフ場でも声を掛けていただけるようなって、とても励みになっています」

幼少期から「天才肌」と言われ、2歳上の姉・葉由乃とは、常に競い合ってきた。福井工大付属福井高の1年時は3年の姉とともに団体戦メンバーになり、全国大会2位。卒業後、初めて受けた17年のプロテストも順調に最終へ進んだが、「緊張して4日間で3パットを10回ぐらいしました。80cmぐらいのも入らなかった。自信満々だった鼻をへし折られ、大きな挫折になりました」。同年のプロテストで姉は合格したが、自身は翌年の2回目も、発症した腰椎分離症が影響して最終で不合格。3回目のテスト前にはスランプに陥った。

渋野日向子原英莉花らと同じ「黄金世代」。少し遠回りをしていることを聞くと、「早く同じ舞台には立ちたいですよね。でも、それより姉を抜かしたいです」と返した。20年8~11月に予定されていたテストが今年3月からになったことも「練習時間が増えた」とプラスにとらえている。今回こそ合格し、JLPGA会員になる決意だ。

◆DSPE(Dead Solid Perfect Entertainment)
2020年3月、ツアーでの活躍を目指す女子ゴルファー30人を支援するプロジェクトとしてスタート。2020年からプロテスト未合格者は、レギュラーツアー、ステップアップツアーに出場できなくなった状況下、合格を目指す選手たちに、月例競技会(年12試合)を実施している。練習に打ち込むメンバーの模様は、DSPE公式サイトなどで発信している。

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