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三度目の正直へ 25歳の小林瑞季はイップス克服して万全を期す

新型コロナウイルスのため延期された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2020年度プロテストは今年3月、1次が5会場でスタートする。未曽有の事態の中、多くの選手が「合格率3.3%」ともされる狭き門に挑む。彼女たちは何を思い、クラブを握ってきたのか? その素顔に迫る。

■高校部活の監督は鷹巣南雄プロ

元法政大ゴルフ部主将の25歳、小林瑞季は3回目の挑戦に向けて、都内の練習場で球を打ち込んでいた。コーチはつけず、時々のスイングチェックを大学の同期に頼んでいるという。「自分で考えながら調子をつかんでいくスタイルが合っているのですが、気づかないところを指摘してもらうことは大切ですから」

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ゴルフを始めたのは、杉並学院高に入学してから。石川遼が同校に在学してフィーバーを起こしていた頃は、中学生でバドミントン部に所属していた。「両親と練習場に行ったのがきっかけです。初心者で、1ラウンド120台からのスタートでした。部活の監督はシニアの鷹巣南雄プロで、ポイントを教わって、あとは自主練でしたが、2年の時には70台で回れるようになり、3年で全国大会に出場(団体戦)しました」

大学では1年からレギュラー、3年で主将を務めた。そして、4年になる前に卒業後のプロ転向を決意した。「もっとうまくなれると思ったからです。大変な道になると分かっていても、人生は一度ですから」。両親からの援助もあるが、千葉県のゴルフ場でアルバイトをして活動資金を稼いでいる。

■イップス克服も“就職試験”は先延ばしに

大学を卒業した2018年に受けた1回目のテストはドライバーが荒れて、2次で落選した。「右にも左にも行くようになって、怖くて振れなくなりました。それからドライバーイップスに…。練習場で人に見てもらうと、打てるのにコースに出るとダメの繰り返し。原因は分からないままでクラブを何度も変えて、ようやく地クラブの『ワオ』を手にして、調子を取り戻しました。ただ、まだ振り切れていないので、飛距離は20ydぐらい落ちました」

2回目のテストは2次に向けたラウンド中にアクシデント。「バンカー縁に球がくっついた状態で、ショットを打ったら左手首から肘にかけて電気が走って…。その後、1カ月はクラブを握れませんでした」。落選後に出場した中国ツアー予選会は「ウエイティング5番目」だったがコロナ禍で海を渡れず。2020年夏のプロテストは延期になった。「ショックでした。私には就職試験と同じですし、計画が1年先延ばしになるわけですから…。ただ、『翌年3月以降に延期』と聞かされ、『練習する期間が延びた』と考えるようにしました」

気持ちの切り替えに努める中、ツアープロ選手支援を目的に発足した団体「DSPE」の昨年7月例競技会で優勝した。「月例会は試合感覚を維持できてありがたいですし、ものすごくレベルも高い。だから、いつも真剣です」。9月の月例会の練習ラウンドではホールインワンもあって自己ベスト「64」をマーク。「2回目のテスト後、極端なフックグリップだったのを直すなどして調子が上がり、今もいい状態です」

ゴルフを始めて10年。まだまだゴルフを心から楽しめているという。「年下の選手たちがツアーで活躍する中、私は25歳で『やばいんじゃないの』とか思われもしますが、気にしていません。『ゴルフは難しくてつらいこともあるけど、全然飽きないし楽しい』。その思いを大切にしていきたいです」。三度目の正直へ向け、万全を期す。

DSPE(Dead Solid Perfect Entertainment)
2020年3月、ツアーでの活躍を目指す女子ゴルファー30人を支援するプロジェクトとしてスタート。2020年からプロテスト未合格者は、レギュラーツアー、ステップアップツアーに出場できなくなった状況下、合格を目指す選手たちに、月例競技会(年12試合)を実施している。練習に打ち込むメンバーの模様は、DSPE公式サイトなどで発信している。

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