「最後になるかも」青木功&尾崎将司が和合で5年ぶり直接対決
2019年 中日クラウンズ
期間:05/02〜05/05 場所:名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知)
第1次ゴルフブームの立役者・中村寅吉が優勝した第1回大会
2019/04/23 17:48
5月2日から4日間競技で開幕する「中日クラウンズ」(愛知県/名古屋GC和合C)は今年で60回目を迎える。国内でいまも続く民間トーナメントでは最古の大会。1960年(昭和35年)に開催された記念すべき第1回大会の優勝者は、日本に第1次ゴルフブームを起こした中村寅吉だった。当時をプレーバックしてみよう。
当時の名称は「中部日本招待全日本アマプロゴルフ選手権」。1日2ラウンドの2日間72ホール競技で、6月1、2日に現在と同じ名古屋GC和合Cで開催された。総ヤーデージは現在(6557yd、パー70=2018年)とそれほど変わらない6535yd、パー70。賞金総額170万円で優勝賞金50万円は、メジャーの賞金を上回る当時の最高額トーナメント。カラーテレビが普及し始めた時代背景もあって、日本で初めて全国にテレビ生中継された大会となり、12人のアマチュアを含む計54人の選手が出場した。
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大会の記録によると、初日は薄曇りで微風という絶好のコンディションだった。試合は、優勝候補の中村(当時44歳)が午前の第1ラウンドをパープレーにまとめて首位と4打差につけると、午後の第2ラウンドで「69」とスコアを1つ縮め、4人並んだ通算1アンダーの首位で大会を折り返し、ファンが期待した通りの展開となった。
身長158cmと小柄ながら抜群のパッティングを武器にしていた中村は、この3シーズン前の1957年10月に埼玉・霞ヶ関CCで行われた「カナダカップ」(現在のワールドカップ)に4歳下の小野光一とともに日本代表で出場。マスターズ王者のサム・スニードや若かりしゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)らも出場した中、2位の米国に9打差をつける圧勝でペア戦を制した。個人戦でも単独優勝。日本に爆発的なゴルフブームを巻き起こした大スターだった。
2日目の最終日は小雨交じりの天候だったという。午前の第3ラウンドで通算3アンダーまで伸ばした中村に対し、肩を並べたのはあのカナダカップをともに戦った小野。2打差の7位から出て、15番からの3連続バーディなどで「66」をマークし、午後の最終ラウンドにもつれ込んだ。勝負の18ホールは中村が1、2番の連続バーディで抜け出したかに思われたが、3番、5番、6番でミスパット。最終18番、1打差で追う小野の10mのパットがカップに嫌われて決着するまで、お茶の間が手に汗を握る大接戦を繰り広げた。
中村の優勝スコアは通算3アンダー。中村の大会制覇はこの1回だったが、その後も出場を続け、1976年大会では60歳7カ月で予選を通過。2011年大会で尾崎将司に64歳3カ月で更新されるまで、35年間にわたって大会最年長予選突破選手としてもその名を残した。