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早くも開花した大器 星野陸也は“経験”を糧に急成長

◇国内男子◇フジサンケイクラシック 最終日(2日)◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7566yd(パー71)

単独首位から出た22歳の星野陸也が、7バーディ、2ボギーの「66」でプレー。2位に5打差をつける通算16アンダーとして、悲願のツアー初勝利を挙げた。

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2番(パー3)でバーディを先行させると、6番(パー5)ではラフからの3打目をピンそばにつけてOKバーディ。後半も勢いは止まらず、10番では「ライが悪くて1.5倍くらいの強さで打ってしまった」という25ydのアプローチがピンに当たりチップインバーディを奪う。「優勝するときには奇跡も必要」という1打で完全に流れをつかむと、250ydのパー3(13番)ではホールインワン寸前というショットで20㎝にピタリ。17番(パー5)のバーディで勝利を確信し、18番でウィニングパットを沈めると両手を高く上げて歓声に応え、最高の笑顔を見せた。

初優勝を初日からトップを守る完全優勝で遂げたのは、1999年のJGTO発足後6人目。さらに2005年に会場を富士桜CCに移してから初めての完全優勝となり、丸山大輔(05年)と藤島豊和(08年)が保持していた通算13アンダーの大会コースレコードを3打更新した。

「昨年から期待され続けて、やっと勝てました」。ようやく重圧から解放されて、大きくため息をついた。「とにかく“経験”の積み重ねで獲れた勝利」だという。昨シーズンの優勝争いの経験、昨年大会の最終日を「66」で回った経験、「全米オープン」で打ちのめされた経験、先月のツアー外競技「札幌オープン」でキム・ヒョンソン(韓国)に競り勝った経験。その全てが、初優勝へのいしづえとなった。

4月「東建ホームメイトカップ」の前に2つの目標を掲げた。ひとつが「海外メジャーに出場すること」。そしてもうひとつが「国内ツアーでの勝利」だ。その両方を、シーズン中盤に早々と達成した。「目標は決めるもんだな」と、屈託のない笑顔で振り返った。

夢は「マスターズ制覇」と大きいものだが、それまでにやるべきことはたくさんある。1勝にとどまらず、2勝目、3勝目を貪欲に狙う。2020年の東京オリンピックにも出場したい。賞金王にもなる。日本ツアーで経験を積んで世界ランキングを上げ、25、26歳くらいでの海外進出を目論む。

肉体改造にも意欲を燃やす。痩せやすい体質の星野は「このままの身体では海外で通用しない。体重は85kgまで持っていきたい」と、現状からの約10kgアップを目指す。たくさんの目標に向かって「常に毎日が勉強」と初優勝にも満足することなく、その目をさらなる高みに向けた。(山梨県富士河口湖町/柴田雄平)

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