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パパになった矢野東 1年3カ月ぶりのツアー復帰「ひと安心」

◇国内男子◇RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント 2日目(24日)◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡)◇7151yd(パー72)

ツアー通算3勝の矢野東が1年3カ月ぶりにツアーに戻ってきた。右ひじ痛により、途中棄権した2017年5月「ミズノオープン」以来の出場。復帰戦は「75」、「76」で通算7オーバーの112位タイで予選落ちしたが、踏み出した一歩を喜んだ。

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今年は復帰時期をうかがい、4月の「東建ホームメイトカップ」、5月の「日本プロ」開催直前にそれぞれの会場で練習を行ったが、いずれも時期尚早と判断し、直前で出場を断念した。7月末のツアー外競技「杜の都仙台チャリティプロアマトーナメント」でのカムバックを経て、いよいよ今週、主戦場に復帰。「スコアはひどかったけれど、自分のゴルフには満足している。想像以上に良いゴルフができた。ショートゲームはひどかったけれど、“壊れかけた”ショットがかなり良くなった感触がある」とうなずいた。

ショットが壊れかけた―――。ここ数カ月、痛みが取れ始めても、本調子には程遠い状態が続いた。「球がどっか行っちゃう。(クラブの)芯に当たらない、ぶん曲がる」。悪いイメージは眠っていても、悪い夢になって出てきた。まともにスコアメークができそうもない不安が解消され始めたのは、ここ2週間のこと。「そういうひどいショットが、きょうに関してはなかった」。実戦を経たからこそ得た手応えがある。

予選落ちはもちろん悔しい。「パッティング、グリーン周りのプレーもひどかったな。“寄せワン”が取れないんだから」。ハードルをひとつ越えて、また次の課題に直面する。ツアーの特別保障制度(公傷)により、今季以降、今大会を除いて残り12試合に出場(2019年シーズン序盤まで持ち越す可能性もある)できるが、シードを確保するためには最低でも1000万円以上は稼ぐ必要がありそう。ただ、今週ばかりは現実的な数字の話は野暮というもの。「あの“どん底”に比べたら…。悪夢も見なくなった。ゴルフができている感じがする。自分としては一安心というか。大きな自信になりました」と、喜びをかみしめた。

「ここに来るまでにスコアメークまで頭が回らなかった。それがすっと片付いた。グリーン上の練習時間を3倍、4倍…しこたま練習して、来週またやりたい」

4月に夫人が第一子となる長女・七楓(ななか)ちゃんを出産。そこに立ち会うことができた。健康なシーズンを過ごしていれば、それも叶わなかったかもしれない。「かわいいですよ。僕には時間があったから、ずっとここまで一緒にいられた。だから、そりゃあもう…(子育ては)何でもできます。沐浴から、オムツから、ミルクから…」。離脱した間に、かけがえのない新しいモチベーションもできたはずだ。(福岡県糸島市/桂川洋一)

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