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山岡成稔はアジア転戦でたくましく マレーシアでは衝撃のニアミスも

◇国内男子◇ダンロップ・スリクソン福島オープン 3日目(23日)◇グランディ那須白河ゴルフクラブ (福島)◇6961yd(パー72)

プロ4年目の25歳・山岡成稔(やまおか・なるとし)がツアー初勝利へ向け絶好の位置で54ホールを終えた。首位タイから「67」と粘り、石川遼と並ぶ通算14アンダーでその座をキープ。自身初となる最終日最終組に入った。

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“3日目の最終組”も初めての経験。「すごく緊張して(3番で)ボギーが先行した」という山岡は、続く4番(パー5)で落ち着きを取り戻した。第2打をグリーン奥のラフまで運び、ウェッジでチップインさせてイーグルを奪取。身長183㎝の大型プレーヤーは「最終的にアンダーパーで上がれてよかった」と安どした。

プロ転向から2年はレギュラーツアーを舞台に飛躍のチャンスをうかがったが、一昨年に3次予選会(QT)を通過できず、昨年の出場は1試合。「いきなり試合がなくなってしまった。これがプロスポーツ選手なんだ…」と厳しい世界であることを改めて実感した。戦いの場を求め、アジアンツアーの下部ツアー(ADT)にも参戦。優勝賞金は100万円前後で、渡航に伴う経費で「トップ5に入らなければ赤字になる。でも試合があれば行かなければならない」というシーズンを経験した。

日本などでは、レギュラーツアーのシード選手は下部ツアーに出場できないのがルール。ただし、アジアンツアーでは自国開催の試合については、レギュラーの選手でもADTに参戦できる。アジアの実力者たちは母国を盛り上げるため、下部ツアーであろうとも参加に積極的。「(賞金王の)ガビン・グリーン(マレーシア)とかも出るんですから…」。賞金の少なさなどいとわず出場するトッププレーヤーのたくましさも感じた。

転戦地のマレーシアでは衝撃的な“ニアミス”もあった。昨年2月、クアラルンプール国際空港では北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄・金正男氏が暗殺された日に、成岡は同じ空港にいたという。犯行現場に出くわすことはなかったが、「到着ゲートについた後、行き先に迷って(暗殺現場の)搭乗口にも歩いて行った」という。直後にニュースを知って驚いたことは言うまでもない。

「いくらうまくても、試合がなくては仕方がない。そのありがたみが分かった」。最終予選会15位の資格でツアーに復帰してきた今シーズン。チャンスにかける思いは人一倍だ。(福島県西郷村/桂川洋一)

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