谷口徹（左）は伊澤利光とダンロップ福島オープンの会場で握手を交わした

◇国内男子◇ダンロップ・スリクソン福島オープン 事前情報（20日）◇グランディ那須白河ゴルフクラブ (福島)◇6961yd（パー72）

18日（月）午前に発生した大阪北部地震。大阪府豊中市在住の谷口徹はその瞬間、福岡空港にいた。愛聴する音楽デュオ・コブクロのライブが前夜に博多で行われ、帰阪しようとした矢先、大阪・伊丹空港行きの飛行機の出発が約3時間遅延。心配を抱えて大阪に戻った。

＜＜　下に続く　＞＞

発生当時、亜紀夫人が乗っていたモノレールは強い揺れで「浮いた感じがした」という。マンションのエレベーターは止まり、階段でのぼることを余儀なくされた。谷口は自宅に帰るなり、それぞれ中学校と小学校で待機していた2人の娘を迎えに行った。周辺のコンビニも食料がほとんどなかったという。

19日（火）の早朝、今週の「ダンロップ福島オープン」の会場に向かう前には余震を感じた。「眠っていたらズドーンと来た。突き上げがすごかった」。1995年、兵庫県南部地震（阪神淡路大震災）を兵庫県内で味わった。「地震が来るときの音が、ダンプカーが発進するときの“ゴーッ”という音に似ていて、あの時はしばらくトラウマみたいになった」という実体験がある。

福島入り後、若手選手を捕まえては気丈に「だーれも、心配するメールも送ってこない」と憤慨するが、心中穏やかとはいかない。「自分が家にいるときはまだいいんですけど、離れているとね…」。残した家族の無事がいつも気にかかる。年の半分以上、遠征生活を送るツアープロの宿命でもある。（福島県西郷村／桂川洋一）