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宮里優作 劇的バーディパットで選手会長初勝利

◇国内男子◇中日クラウンズ 最終日(30日)◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知県)6545yd(パー70)

残した距離は6m、下りのスネークライン。出足の強いスライス傾斜を静かに伝ったボールは、最後に緩やかにフックした。カップの右からフチを一周して消えたウィニングパット。宮里優作はそれに呼応するように、グリーン上でガッツポーズしながら一回転した。首位タイから出て、最終18番でこの日5つ目のバーディを決めて「68」。通算13アンダーとして後続を1打差で振り切り、2シーズンぶりとなるツアー通算4勝目を飾った。

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3日目を終えて4打差以内に9人がひしめいた戦況は、サンデーバックナインに突入しても混とんとしていた。宮里は10番を終えて2位に2打差の単独首位に立ちながら、「セカンドをダフッてしまった」という12番からの2連続ボギーで、藤本佳則に並ばれた。

局面を左右する集中力が定まったのは、リードを失ったそのとき。「14番がキーだった」と振り返る。パッティングの感触は良いままだった。「とりあえずバーディパットを打ち続けよう」と同ホールを2オン2パットのパーでまとめ、もう一度抜け出すチャンスを待った。前の組でプレーした藤本、谷口徹と並んで迎えた18番。勝負を決めたウィニングパットも「そうそう入るパットじゃない。とにかくカップ周り50cmにつけよう」という、プレーオフを想定した冷静さが生んだ一打だった。

昨年1月、多くのプレーヤーに支持されて選手会長に就任。初年度は0勝に終わり、迎えた2年目も開幕前から会長職で奔走。「(優勝は)夏くらいまでかかるかな…」というゴルフの状態だった。しかも今大会は昨年まで2年連続で予選落ち。「和合で予選通過」は、何を隠そうシーズンの目標のひとつでもあった。コースから車で15分余りの自宅に帰ると、家族で決勝進出を祝ったのが2日前。その先にもっと大きな喜びがあった。

「スッキリした。本当にホッとした。背中にいっぱい色んなものがあって、息苦しさ、重苦しさが取れた感じがした」という言葉が、ツアーのリーダーとしての責務の大きさを物語る。中学時代の生徒会副会長(ちなみに兄・聖志は生徒会長!)のプレッシャーとは比べ物にならない。今季からコース内の一部でギャラリーの写真撮影を許可するなど、様々な施策を進めている。だだ、この日のようにトッププロがロープ内で演じる激しい争いこそがツアーの魅力の本質。「皆が良いものを出し合って、最後に誰かが勝つのが一番良いもの。一人一人の意識の高さがあれば、こういう試合も毎週できるはず」と胸を張った。

「こういう緊張感の中でやることがプロゴルファー冥利に尽きる。これは“中毒性”がある。もう一回こういう経験をしたいって」。2015年「ダンロップフェニックス」以来となる白星は、リードして最終局面を迎えた過去3勝とは違う形でもぎ取った。

「毎回言うけれど、松山英樹くんが海外でやっているのを僕らも見ている。彼が(日本に)帰ってきたときに、負けない、簡単に勝たせちゃダメだというのをみんな感じている。皆が技術を高めようとしている」。最後にのぞかせたのは、選手会長としてはもとより、ひとりのプレーヤーとしてのプライドだった。(愛知県東郷町/桂川洋一)

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