大会史上最長コースを制すのは飛ばし屋か 河本力が日本オープンに懸ける思い
◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 初日(15日)◇タラオCC西C (滋賀)◇7411yd(パー70)◇晴れ(観衆1884人)
懸ける思いが強すぎるからこそ、滑り出しは少々空回りした。インから出てイーブンパーで迎えた14番。フェアウェイ左に大きな池が広がるロケーションで、河本力が練習ラウンド通りにミニドライバーを手にした。放ったティショットは池のふちまで届かず、そのままキャリーで水の中へ。ティイングエリアからの打ち直しを余儀なくされた。
「目が覚めました」
今度はドライバーを手に絞られたフェアウェイを攻め、ど真ん中を捉えて第4打を90cmに寄せてボギーに収めた。ここから巻き返して1イーグル4バーディ、3ボギーで「67」。「“日本オープンだから”ってマインドでスタートして悪い方向にいっちゃった」と1オーバーで前半を折り返しながら、後半で4つスコアを伸ばすナイスカムバックで初日を終えた。
日本オープンは、深いラフに絞られたフェアウェイ待ち受ける厳しいセッティングが特徴の国内最高峰の舞台。直近3年の優勝スコアが一桁アンダーに留まることからも、その難易度が分かる。4位だった昨年大会(栃木・日光カンツリー倶楽部)で、河本は一度もドライバーを握らなかったという。
今年の舞台となる滋賀・タラオCC西Cは、パー70の設定ながら7411ydと大会史上最長。さらにラフも例年より刈り高が短く、よりアグレッシブに攻めることができると見て、飛ばし屋の26歳は「チャンスがある」と感じていた。フェードに絞ったティショットが安定していることも相まって、この日は10ホールでドライバーを握って上々のスタートへとつなげた。
26歳がこの大会に気合いを入れるのには、明確な理由がある。日本オープン優勝者には、2027年の海外メジャー「マスターズ」と「全英オープン」の出場資格が与えられる。2017年、高校3年生だった河本は、観戦に訪れたオーガスタナショナルGCで見た光景が忘れられない。「(セルヒオ・)ガルシアが優勝して…。めちゃくちゃ覚えています」。そして、来年の全英の舞台は聖地セントアンドリュース(スコットランド)でもある。「凄く特別な大会」と出場を熱望している。
だから、ここに照準を合わせてきた。日程の近い米ツアーの1次予選会は、「あやふやになってしまうから」と出場しないことを決断。国内ツアーのなかった前週、練習拠点の神奈川・横浜CCでPGAツアー「ベイカレントクラシック」が開催されていたが、会場に足を運ぶこともなく、自身の練習に集中してきた。すべてはナショナルオープン覇者の称号と、その先にある2枚のメジャー切符のため。「状態はすごくいい。一打一打、淡々とプレーしていきたい」と残り54ホールの戦いへ視線を向けた。(滋賀県甲賀市/中村文香)