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冬の日の悲劇“ずっこけ骨折”の丸山大輔、逃げ切りVなるか?

三重県の東建多度カントリークラブ・名古屋で開催中の国内男子ツアー「東建ホームメイトカップ」3日目。強風が荒れ狂うムービングデーを43歳の丸山大輔が見事に攻略した。3メートルの下りのラインを沈めた2番を手始めに、5バーディを奪取。ボギーは3つに抑えて「69」(パー71)で回り、通算9アンダーの単独首位で最終日を迎えることになった。

結果だけを見れば、国内での今季初戦を、満を持して迎えたように見える丸山だが、このオフには災難に見舞われていた。年明け1月、プロアマ大会に出場した際、駐車場で歩道との段差でずっこけ、右足の小指を骨折した。約4週間は安静を強いられ、ジムでのトレーニング期間を経て、3月上旬にようやくカートでプレーができるまでに回復。今大会の前週に千葉で行われたローカルトーナメントが、復帰後初めて歩いてプレーした機会だった。

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故障直後の1月末に行われた小林正則の結婚披露宴には、松葉杖を持参し、車いすで出席した。練習ができず「映画ばっかり見ていた」というビデオ鑑賞漬けの毎日も経験した。その中の1本でプロテニス選手、クルム伊達公子のドキュメントには目を奪われ、「トレーニングをつらいと思ったことが無い」という言葉に、たまげた。おいおい、オレはジムに行くってだけで嫌になるのに…。彼女は同学年。ハートに火が付き、嫌いなトレーニングにも精が出た。

今週月曜日には名古屋の宿泊先から、熱田神宮までのランニングを敢行した。昨秋に必勝祈願に訪れた直後に「ブリヂストンオープン」で優勝した。だからゲンも担ぎたかった。市街地でのロードワーク。約2キロの道のりで感じた。「やっぱりちょっと痛い」。だから帰りは歩いて帰った。自分はまだケガ人だ。そう改めて自覚した。

試合になっても「だいぶ球も飛んでない」。この日は風を過剰に警戒し、ドライバーを上から打ち込み過ぎて2度、テンプラも打った。「ダメもとでやっているから、なぜか冷静にできている」。怪我の功名の効果は、いまのところ絶大だ。

最終日は首位から3打差以内に10人がひしめく混戦で迎える。「強そうな連中が来てる。どうなるか分からないけど、できれば逃げ切りたい」。御祈願の帰り、無理をしなかったのは明日のため。後続には目もくれずゴールテープを切ってやる。(三重県桑名市/桂川洋一)

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