藤本佳則のスイングをスーパースローで見る
2012年 ザ・ロイヤルトロフィ
期間:12/14〜12/16 場所:エンパイアホテル&CC(ブルネイ)
藤本佳則が逆転勝利 タイトル奪還に貢献!
ブルネイのエンパイアホテル&CCで開催された「ザ・ロイヤルトロフィ」最終日。アジア選抜がプレーオフで欧州選抜を下す中、藤本佳則はシングルスマッチプレーで大きな1勝を挙げた。
午前11時40分からドイツのマルセル・シームと対戦した藤本は前半、劣勢の中にいた。3番でティショットを左に曲げ、1メートル強のパーパットを外すなどして7番までに3ダウン。開幕前からの体調不良などの影響もあり、コースには早いうちから敗色濃厚の雰囲気すら流れてしまった。
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しかし「どこかでバーディを獲って、2ダウンにできたらチャンスはある」と闘志は燃えたまま迎えた12番をバーディとすると、13番では4メートル、14番では6メートルと立て続けにバーディパットを沈めてオールスクエアに戻す。17番でシームがボギーを叩いてついに逆転。1アップで入った最終18番もフェアウェイからの第2打をピン手前2メートルにつけ、勝負を決めた。
胃痛に苦しみ初日は棄権すら頭をよぎった。それでも徐々に食欲も回復し、昨夜は首都バンダルスリブガワンの日本料理店で行われたチームディナーにも出席。「集中力が全然違う。特に後半。食べられるようになってよかった」。結局、1アップで勝ち点1を挙げると、グリーン上では尾崎直道キャプテンから力強いハグ。「勝ててよかった。それよりもヨーロッパのすごい選手と一対一で勝負できたことが楽しかった」と喜びを噛み締めた。
ツアールーキーとして臨んだ今季は国内メジャー「日本ゴルフツアー選手権」で初タイトルを獲得。初挑戦となった海外メジャー「全英オープン」では決勝ラウンドに進むなど、その後も活躍を見せた。そしてこの“最終戦”を白星としたことで「負けで終わるのと、勝つので終わるのとでは全然違う」と力を込める。
それでも開幕前から「年間2勝」を目標に掲げてきただけにシーズンの自己採点は「70点」。「目標は来年も2勝。来年こそはやりますよ」と13年シーズンに向けさらなる飛躍を誓っていた。(ブルネイ・バンダルスリブガワン/桂川洋一)