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平塚哲二 得意の“酔拳”で?首位に2打差

愛知県の三好カントリー倶楽部 西コースで開催中の国内男子ツアー「コカ・コーラ東海クラシック」3日目。単独首位のH.W.リュー(韓国)を筆頭に韓国勢が上位を占める中、平塚哲二が「68」をマークして2打差の通算3アンダー5位に浮上した。

1番、3番と序盤でバーディを先行させ、ムービングデーを幸先の良く滑り出した平塚。それでも前半は我慢の連続だった。ショートゲームでピンチを逃れ、8番(パー3)ではバンカーからの寄せワン、9番では大きなスライスラインのパーパットを沈めて折り返し。すると「後半はティショットがフェアウェイに行きだした」と安定感が出はじめ、3バーディ。最終18番も2メートルのパーパットをなんとかねじ込んで笑った。

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「こんなスコアで回れるとは思ってなかった」。両サイドの深いラフに悩まされ、我慢比べの様相を呈す今大会。しかし、予想外の好プレーと感じたのには、もうひとつ理由が。前夜は、スポンサー関係者の誕生パーティだった。ワインでの乾杯に始まり、シャンパンへ。ツアー屈指の酒飲みとして名を馳せるが、グラスが空く時間などわずかなもの。第2ラウンドの後は、トレーナーの勧めで初めて酸素カプセルにも入って体をケアしていた。しかしそれもアルコールの吸収を促進しただけ。夜12時頃に中座したが、「明日は“酔拳”やなぁ」と土曜日を憂うばかりだった。

それでも、難易度の高いコースでほど実力を発揮する持ち前の勝負強さを披露。「こういう位置でやるのが幸せやと思うし、ここでやらなアカンなぁと思う。こういう戦いを増やしていかないと優勝に近づかない」。昨年の「パナソニックオープン」以来となる逆転での今季初勝利へ闘争心にも火がついてきた。

11月に41歳になるベテランは、大酒飲みの一方で、コースでは打撃レンジに長くいる選手の一人。「コースに来ると、しゃべらないから人が違うと言われる」。日本ツアー、そして掛け持ちするアジアンツアーともにシード権はこのまま低迷すれば、来季いっぱいで切れてしまう。まずはその確保を両ツアーで続けることが最低限の目標だ。

大好きな酒はオンとオフを切り替える大切な“道具”でもある。「コースを離れたら、もうゴルフのことは考えたくない。酒を飲まなくなったら気が狂うんじゃ…」。35歳のとき、不調のあまり一時、禁酒した。「勝つまで飲まない」と宣言した。だが「あまりにもうまくいかなくて、地方オープンで勝って『よし、勝ったぞ』って、やっぱり飲むことにした」と3か月で解いた。それ以降、その誓いは立てていない。

「ゴルフは仕事」とキッパリと言い、その仕事のことを忘れ、仲間とのドンチャン騒ぎが日々の楽しみだ。けれど「優勝したあとに、一人になって、一杯グッと飲むのが好き」とも、しみじみ言う。大混戦の最終日。日本ツアーでは7度目となる勝利の美酒を味わいたい。(愛知県みよし市/桂川洋一)

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