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【鈴木規夫氏インタビュー】トーナメントコースの仕上げ方

2012/05/23 16:53

――セッティングの醍醐味とはなんでしょう?

それは選手たちが精一杯やる姿が映るセッティングにしたいということ。右にふかしたのが土手に当たってフェアウェイにいくなんて好きじゃない。ゴルフはアンフェアなスポーツではあるけれど、良いショットには良いスコア、悪いショットには悪いスコアが返ってくるべき。例えば、ドライバーで300ヤードから320ヤード飛ばす。それだけ振るのは危険性があるし、それを25~30ヤードの幅に打たないといけない。だけど、もしそこに打てたら次はショートアイアンでバーディが獲れる。“ハード”、これが一番面白い。ボクシングならばKO、ハードパンチが面白い。ちょこちょこジャブでポイントを重ねて勝つよりもKOシーンのある方が面白いでしょ?それはゴルフでいえば飛ばすということ。精一杯振るっていうこと。リスクを承知で攻めてくることに多くのファンが興奮する。ある人に言わせれば、72ホールそんなに振らなくてもいいじゃないか?となるけれど、それこそがプロスポーツの醍醐味。ベテランになれば戦略的に攻めてくる。その心が分かって初めてセッティングというところにいけるのかなと。天候や状況によってロースコア、ハイスコアはあるけれど数字では置き換えられない。最終組、最終ホール、最終パットした選手が優勝するのが最高の例。年に何度も見られない。

――注目ホール、観戦ポイントを教えてください

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選手が苦労するのは5番、8番、11番。5番はなんでもない右曲がりのホールなんだけど、グリーンがかまぼこを横にしたような形状なのでパッティングが難しい。ティショットでドライバーは打てないと思うな。インは11番が鍵になる。ここは無理をしないといけないホール。前後の10番、12番、13番はバーディを獲りたいホールだけど、その間でボギーを叩くと取り返したいという気持ちになる。5番、8番、11番。この3ホールを4日間イーブンで回っている選手は勝てると思うな。

おすすめの観戦ポイントは1番のグリーン奥。2オンしてくる選手や、3打目のアプローチをどう攻めるかが見られる。そこからは2番のティショットも4番のティショットも見られる。僕だったら1番グリーン右奥のマウンドがあるところに構えるな。4番グリーンの奥には売店やトイレがあるし、クラブハウスにもすぐ帰れる。2番も4番も右前から選手の顔が見られる。右前から見た方がアドレスや選手の顔の動き、心の動きが見えるから面白いと思いますよ。

あとは8番のグリーン奥。このホールのグリーンは実は傾斜が一番きつい。普通は3%だけど、それより多く傾いている。受けグリーンにしているから、選手達がバックスピンをかけないショットをどう打ってくるか。きちんとスピンをかけるとグリーンを落ちてしまう。隣の9番は上から打ち下ろす。クラブハウスも見えて、ダイナミックなホールなので見応えがありますよ。他にも7番ティとか、18番のセカンド地点、16番グリーン付近も楽しめるでしょう。

――今大会はどんな展開になると予想しますか?

今年のラフは、冷夏であまり伸びないかもしれないな。それでも8cmから10cmくらいは伸ばします。ティショットをよりグリーンの近くに置いて、2打目をコントロールできるクラブで打てればスコアは出ますよ。12アンダーから14アンダーが優勝スコア。技術的にはセカンドショット。その前にまずはフェアウェイをキープすること。フェアウェイキープが60%くらいはないとダメでしょう。ドライバー、フェアウェイウッド、アイアンをいかに使い切る勇気を持つか。ドライバーだけではちょっと緩急が厳しいなぁ。

選手達の心の動きがギャラリーの皆さんにも分かるんじゃないかな。ここは攻めたい、置きにいきたい、我慢をしたい。よく分かると思います。プレーヤーとギャラリーがこんな間近で接するのはゴルフトーナメントくらいしかない。サッカーとかは遠いじゃないですか。選手が話していることがすぐそこで聞ける。如実に色んなことが聞ける。スコアが動いている人の心の動き、喜怒哀楽が激しい人はすぐに表に出ます。キャディとの会話や表情に、見えない心が映し出されると思います。

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鈴木規夫
1951年10月12日生まれ。72年にプロ転向後、79年「太平洋クラブマスターズ」などツアー通算16勝。81年には「マスターズトーナメント」にも出場経験を持つ。現在はJGTO(日本ゴルフツアー機構)の理事として、海老沢勝二会長をサポート。現場ではツアープレーヤーの視点でも大会実施に貢献している。

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