3位に終わった佐藤信人 復活への光明
ツアープレーヤーたちの改心 <佐藤信人>
ここ数年間というもの、佐藤は、「試合中にクラブハウスレストランで、朝食を摂ったことがない」といいます。
「毎朝、コースに行く途中のコンビニでおにぎりとかサンドウィッチを調達して、それで朝食は終わり。・・・スポーツ選手のくせに、これじゃ栄養が足りてないですよねえ。自分でもわかっちゃいるんですけど、つい・・・」
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なんでも佐藤は昔から、早起きが苦手。だからどうしても朝は、食事よりも睡眠時間を優先させてしまい、ぎりぎりまで寝ていて慌ててホテルを出るのが常なんだそう。ゆっくりハウスでご飯を食べる余裕もなく、コンビニでの買い物を頬張ってスタートに向かうハメになってしまいます。
頭を掻き掻き佐藤はいいます。
「・・・それもこれも、すべては学生時代からの“夜更かし好き”のせいですね。夜は別に飲み歩いたりとかはしないんだけど、部屋にこもってテレビを見たり、本読んだりだらだらしているうちに、つい寝るのが遅くなって。たいがい、朝起きて後悔するんだけど、なかなか改善できないんですよねえ・・・」。
そんな佐藤の生活習慣は、ツアー通算3勝目をあげた2000年の日本プロ以降、ますます顕著になっていきます。というのも、この直後に立ち上げたホームページの内容は佐藤本人の手作りということで、年々人気が上昇し、いまやシーズン中には毎日数え切れないほどの応援メールが届くほどファンにすっかり浸透しています。
「いただいたファンメールには、どんなに短くてもいいから、自分の言葉でお礼が言いたい」と頑として“代理返信”を拒む佐藤。その一通一通に返事を書いているうちに、もともと遅かった就寝時間はますます遅くなり、時には夜中2時、3時になることもざらだそうです。
「・・・スタートが早いときなんか、睡眠時間2時間で朝を迎えることもあるんです。もちろん、ホームページを書く作業はゴルフを忘れて、リラックスできる大切な趣味のひとつだし、みなさんからのファンメールが僕の最大の原動力になっていることは間違いないんですけれども・・・」
デビュー当時から変わらない、その謙虚な姿勢が佐藤の良いところです。しかし、そうはいってもやはり、睡眠不足は良くありません。30歳を越えて、最近、とみに寝不足がこたえ始めていたのも確かでした。このままではいけない、と反省した佐藤はこの悪循環を、今年から本格参戦するヨーロッパツアー転戦中に、見直してみようと考えています。
幸い、専属キャディの小畑さんだけでなく、妻・裕子さんと小畑夫人も一緒に渡欧する予定。食事の面では心配はないし、夜はなるべく早く寝て、朝はしっかり栄養のある食事を摂る、という規則正しい生活パターンを実践してみよう、という計画です。
今のところ、来月中旬のマレーシアオープンが本格参戦2戦目となる予定。さて、佐藤の新天地での“生活改善”の試みは、実現されますか・・・。
※日本ゴルフツアー機構が発刊しているメールマガジン(プレーヤーズラウンジ)より転載しています。