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「ジャンボさんの庭」で 永野竜太郎の記憶に残る“輪厚×尾崎将司”

◇国内男子◇ANAオープン 2日目(13日)◇札幌GC 輪厚C(北海道)◇7066yd(パー72)◇曇り(観衆1824人)

輪厚コースは「ジャンボさんの庭」だと永野竜太郎は言う。1973年に「全日空札幌オープン」として始まった大会は過去49回のうち7回(73、74、89、92、94、95、2002年)を尾崎将司が制した。コース改修のため3大会(87、88、93年)は由仁コースで行われたが、尾崎の優勝はすべて輪厚で挙げたもの。その表現はあながち間違いではない。

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1988年生まれの永野にとって、繰り返し流れる映像で脳に刻まれたのが2002年大会。若かりし頃の藤田寛之を破って、777日ぶりに飾った55歳7カ月29日での勝利は、日本ツアーの史上最年長優勝記録として今も残る。

「1回目と30回目を勝つって、すごい。ヤバすぎでしょう。0歳の子が、30歳になってるんだから」。ジャンボの偉大さは、その金字塔におごることなく翌年も優勝争いを演じたことにもある。葉偉志(台湾)に競り負けて2位で終えた2003年は、永野も「(地元の)熊本でテレビで見ていた」ことを覚えている。

全盛期をリアルタイムで見ていた世代でなくても、プロゴルファーのキャリアを重ねるたびに数々の伝説が偉業だと実感する。記録のほかにも「ドライバーでガンガンやるジャンボさんのスタイル」に憧れを抱く選手は後を絶たない。

永野もまた、今もパワーを持ち味に戦う。若手が台頭するツアーで、今季の平均飛距離は36歳にして全体22位の平均296.18yd。ラフが密集した今年の輪厚でも攻め方は同じ。「自分のアドバンテージだと思っている飛距離で、少しでもグリーンの近くまで飛ばせばラフからでも短いクラブでピンを狙える。もちろんフェアウェイに行けばすごいチャンスになる」。序盤2番でボギーを1つ先行させてから5バーディを奪って「68」。通算12アンダーの単独首位に浮上した一日のフェアウェイキープ成功は、わずか3ホールだった。

尾崎が最後に勝った2002年は30回大会だった。今年は開催50回の節目だ。待望のツアー初勝利へ最高の位置でターン。「憧れであるジャンボさんが7回も勝っている大会。それが節目の50回大会なら、なお良いなと思います」と残して、ドライビングレンジに向かった。(北海道北広島市/桂川洋一)

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