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ケプカから受けた衝撃…幡地隆寛は終盤戦で1W&スイングチェンジ

◇国内男子◇カシオワールドオープン 初日(23日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7335yd(パー72)◇晴れ(観衆2726人)

幡地隆寛は「ダンロップフェニックス」を48位で予選通過したものの、決勝ラウンドへ向けてのモチベーションは決して高くはなかった。「フェニックスは得意じゃないし、上を目指せる位置でもなかった。調子も悪かったので、正直、来週に向けて何をしようかなって分からない状態で…」と、半ば消化試合ととらえていたという。

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衝撃を受けたメジャーチャンプとのラウンド

そんな中、試合後にスマホをチェックしていると、自分の名前の上にあるメジャーチャンプの名前に目を見張った。歴代覇者でもある5年ぶりに出場のブルックス・ケプカだ。

「ケプカは途中3オーバーまでいっていたので、カットラインから落ちたと思っていたんです。気づけば名前が並んでる!って驚いて。すぐさま上から順に、『イチ、ニ、サン』、『イチ、ニ、サン』って組み合わせを数えました。そうしたら、うわっ一緒じゃん!って」。3日目は思わぬ形でケプカとの同組ラウンドになることを知った幡地のテンションは急上昇。週末に向けて目の色が変わった。

3日目は幡地、ケプカ、大西魁斗の3サム。もちろん、朝から興奮はMAXだ。「必死に自分の試合を頑張りながら、(ケプカを)必死に見ていました。前半ハーフはめっちゃ疲れた」とメジャーチャンピオンとのラウンドを振り返る。「ケプカはグワーンって感じで打ってくるし、(大西)魁斗もケプカと回って力が入っていたのかグワーンってきていた。だから自分も最大出力でグワーンって頑張って打ちました」と独特の表現で“振り感”を解説。その結果「今年の試合で初めて腰が張りました(笑)」と、アクセル全開でアメリカの怪物にぶつかっていった。

最大出力で回っていたこともあり、飛距離は幡地が勝つことがほとんどで、時には10yd近く前に行くことも。それでもケプカのドライバーの技術の高さに、幡地は舌を巻いていた。「芯に当てるだけが全部じゃなくて、わざとちょっとトウ側に当てたり、いろいろ打っている感じでした。ダウンブローだけでなく、アッパーにも当てたりして、打球を打ち分ける技術がすごかった。次元の違う一歩先のことをやっているって感じました」

特に幡地が衝撃を受けたのは、日本では見たことのない弾道だった。「ドローの雰囲気で中弾道に球が出ていくんですが、その後フワッと上がって最後にフェードっぽく落ちる。日本の飛ばし屋は誰も打たないような球だったんです」。その弾道を見た瞬間、幡地の頭の中に電気が走ったという。「うわ、すごいな。あれは真似したいな…って。でも、そこから『どうやって打っているんだろう』ってなって。ラウンド中は、この先やりたいことが頭の中でグルグルとめぐっていました」。ケプカとの夢のラウンドは、必死に回ってなんとか「69」をマーク。最終日は「頭の中に(ケプカの)イメージを残しながら」のラウンドで「66」を出し、最終的に4位まで上りつめて宮崎を後にした。

イメージをさっそく実践 カシオで1Wチェンジ

宮崎での余韻を残したまま「カシオワールドオープン」に乗り込んだ幡地は、会場に着くなり契約するタイトリストのツアーバンを訪れ、レップ(用具担当)に1本のドライバーを注文していた。「オフにやろうかなと思っていたのですが、居ても立ってもいられなくなった」と、シーズン終盤ながら新しいスイングへの着手を決断。その上でのドライバーチェンジだった。

幡地が頼んだのは、小ぶりなヘッドで操作性の高い「TSR4」のヘッド。元々のエースは「TSR2」のリアルロフト9度(ネックポジションD2)で、それをTSR4のリアルロフト10度(ネックポジションA1)に替えた。

「ケプカのクラブ担当の方に聞いたら、ドライバーは11度近いハイロフトで、ロフトを立てながら当てていると言うんです。それを自分もやってみようと思って」と、ケプカのインパクトの形を説明して見せてくれた。手元はハンドファースト、さらに左手首を掌屈(手のひら側に折る)させて、ドライバーをダウンブローに打つようなイメージ。いわゆる飛ばし屋のフェードヒッターに見られる形で、ダスティン・ジョンソンなども似たようなインパクトをしている。ロフトがあるものをダウンブローで入れるとスピン量は増えるが、それを(TSR2に比べて)スピンの入りにくいTSR4にして、ヘッドでスピンを抑えようという狙いだ。

ツアーレップからTSR4を受け取ると、新しいドライバーで球を打ちながらトラックマンの数値を見て一喜一憂。シャドースイングでインパクトの形を再確認し、ツアーレップと話をし、ネックをカチャカチャするたびに球を打ち、数値チェックを繰り返していた。

時に「あー、いまのは(インパクトの形が)できなかった」と、狙い通りの球が出ないシーンもあったが、満足のいくスイングもできつつあった。「ケプカのああいう弾道が打ちたいと思ってやっていますが、芯に当てるだけが全部じゃないとも聞いている。そういうのも含めていろいろ試して、結果その弾道も打てるようになれたら。来年はもっとドライバーでコントロールしていきたいですね」

2023年 カシオワールドオープンゴルフトーナメント 幡地隆寛 新スイング(1)

新スイング(1)

2023年 カシオワールドオープンゴルフトーナメント 幡地隆寛 新スイング(2)

新スイング(2)

2023年 カシオワールドオープンゴルフトーナメント 幡地隆寛 新スイング(3)

新スイング(3)

2023年 カシオワールドオープンゴルフトーナメント 幡地隆寛 新スイング(4)

新スイング(4)

昨年の秋口、幡地は人知れず米ツアー予選会を受験していた。その挑戦は1次敗退という結果に終わったものの、目指す海外のトップ選手であるケプカから刺激を受け、翌週の練習場で技術をコツコツと磨くその姿は、なんだかワクワクしているように見えた。迎えたカシオワールドオープンでは、初日を終えて5アンダー11位タイの好スタート。着実に一歩ずつ、目標に向かって前進している。(高知県芸西市/服部謙二郎)

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2023年 カシオワールドオープンゴルフトーナメント



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