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シニアデビューへの試金石 49歳の山下和宏が2年ぶりのレギュラーツアーで「69」

◇国内男子◇ACNチャンピオンシップ ゴルフトーナメント 初日(5日)◇三甲GCジャパンコース(兵庫)◇7295yd(パー72)◇曇り(観衆648人)

山下和宏は自虐的だが、楽しそうに16番のダブルボギーを振り返った。「何ですか?内容?まあ“素ダボ”ってやつです」。それ以外は上々だ。7番(パー5)では残り210ydから5Iで8mに2オンさせ、会心のイーグルを奪取。バーディも4つ決めた。2021年9月「パナソニックオープン」以来、約2年ぶりとなるレギュラーツアー出場の49歳が3アンダー「69」で21位スタートを切った。何の文句もない。

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決して飛びはしないけど、ステディなプレースタイルを武器に10年連続で守った賞金シードを18年に失った。現在のターゲットはシニアデビュー。そのための準備を昨季から進め、3月のシニアツアー予選会で8位。11月5日に50歳になり、同月16日開幕の「すまいーだカップ」(栃木・イーストウッドCC)と24日開幕の最終戦「いわさき白露シニアゴルフトーナメント」(鹿児島・いぶすきGC)の出場権を獲得している。

今回の“レギュラー復帰”はツアー仲間から話が舞い込んだ。親交のある貞方章男から「出ませんか?」とオファーがあり、貞方の知人を通じて主催者推薦出場をもらった。「いや、不安でしたよ。自分の今のゴルフが通用するのかって」。空白の2年でレギュラーの顔ぶれはさらに若返った。飛距離のディスアドバンテージは明らか。大部分の選手がパー3を除く14ホール中4ホール前後でティショットを刻むが、山下がドライバーを握らなかったのは、10番パー4のみ。「若い子が刻むホールで、僕がドライバーを持って。そこしかないですから」と笑う。

「今回は記念に出ようかなって」。頭にあるのは“若手”に戻るシニアデビュー。「明日は(予選落ちして)顔を隠して帰っていたら、ごめんなさい」。結果、2019年11月「HEIWA・PGMチャンピオンシップ」以来の決勝ラウンド進出を決めれば、最高の弾みになる。(兵庫県三木市/加藤裕一)

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