「イメージがしっかり出ていた」と会心のプレー

◇国内男子◇バンテリン東海クラシック 初日（28日）◇三好CC西コース (愛知)◇7300yd（パー71）◇曇り（観衆2283人）

前半12番（パー5）、3mの上って下るフックラインを決めた蝉川泰果は「悪くないかな」と確かな手応えを感じた。立て続けに2.5mほどのチャンスを生かせなかった出だし2ホールを吹き飛ばすほどの好フィーリング。「12番のバーディが間違いなく、乗るきっかけだった。そこからは流れで行けた」。自己最多11バーディを量産し、アマチュアだった昨年「パナソニックオープン」3日目に並ぶ「61」で単独首位発進した。

8番で3mのパーパットを沈めるなど「マレットがいいかな」

18ホール合計でわずか24パット。グリーン上で猛威を振るったマレット型パターを試合で使うのは人生初だった。「これまでピン型しか使ってこなかったので」。前日のプロアマ戦を終え、たまに練習で使うこともあるというピン PLD ミルド プライムタイン 4でボールを転がしてみたら、想像以上に感覚が良かった。

1カ月ほど前に渡されて練習で使っていたピン PLD ミルド プライムタイン 4

「（最近は）緊張した場面で、あんまり手がしっかり動いてなかった感じもあった」。メーカーのツアー担当者とも話し合い、投入を決断。13番（パー3）で7mを流し込んだ場面を「試合で入るのも久々な感じの距離。ショットが少し楽になった」と振り返ったように、ピンに絡めなければ伸ばせない重圧からわずかに解放され、持ち味のショットで思い切りの良さが戻ってきたことも大きい。

前週「パナソニックオープン」はディフェンディング大会でまさかの予選落ち。練習に明け暮れるはずだった週末も38℃ほどの高熱で寝込み、外に出ることもできなかった。「逆に切り替えられたのかな」。最新モデルに替えたばかりだったアイアンを慣れ親しんだピン ブループリントにスイッチして乗り込んできた初めての三好CC。「モヤモヤしてましたね」と明かす直近のうっぷんを晴らすようなバーディラッシュを見せた。

先輩との会話も含めて「久々に楽しいなと思いながらプレーした」

前年覇者の河本力、桂川有人との3サムは、実は95年ぶりのアマ優勝を飾った昨年「日本オープン」の予選ラウンドと同じ組み合わせだった。終盤に河本から「いや、もう（コース記録）確定でしょ」と“プレッシャー”をかけられるやり取りも含めて「力くんがすごく盛り上げてくれる」と楽しみながらのロケットスタート。賞金ランキング3位から、1位の中島啓太と2位の金谷拓実を追うプロ2勝目へ最高の滑り出しだ。（愛知県みよし市／亀山泰宏）