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渡せなかった優勝ジャケット 20歳を下した谷原秀人の「サトウのごはん」の行方

◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 最終日(25日)◇西那須野CC(栃木)◇7036yd(パー72)◇晴れ(観衆1642人)

本当ならプレゼンターを務めるはずだった。ジャパンゴルフツアー選手会の主催大会。谷原秀人には選手会長として、チャンピオンジャケット贈呈の仕事が課せられていた。それが「まさか」、表彰式で自ら主役になってしまうとは…。

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ツアー通算18勝目は本人も驚きの展開から舞い込んだ。序盤2番からの3連続を含む7バーディ、1ボギー「66」。通算24アンダーでホールアウトした直後、後ろの最終組を回った長野泰雅が1mのバーディパットを外して、プレーオフに突入した。

百戦錬磨の44歳は、初優勝がかかった20歳を精神面で優位に立っていた。「長野くんが『初めてのプレーオフをどういう気持ちでプレーするんだろう』と見るくらい冷静だった」。第1打を右の林に曲げた相手に対し、淡々と2パットパー。今大会の最年少選手を破った。

昨年12月「日本シリーズJTカップ」以来の今季初優勝。ベテランらしく、体に痛みだって抱えている。ことしは“ぎっくり腰”を頻繁に発症し、今月初旬もヒヤリとした試合があった。昨年生まれた第二子の悠香ちゃんはまだ、パパの仕事を知らない。「妻(絢香夫人)には『彼女が分かるまで頑張って』と言われるけど」と苦笑するが、家族と、「少しでもうまくなりたい」思いが今もモチベーションの源にある。

自分の息子でもおかしくない年齢の選手たちと、同じタイトルを争う日々。プレーオフで競った長野をはじめ、20代の選手たちには1Wショットで50yd以上差を付けられることもザラになった。「萎える」気持ちを抱えながら、自分のプレーに集中できるのもこれまでの経験があってこそ。欧米ツアーで腕を磨き、壁に何度もぶち当たって今がある。

練習中は流行している弾道測定器の使用を極力控え、数値よりも感覚と実際のショットの軌道を重視する。「(若い頃は)練習場で外国人選手がボールを打つ“音”と、自分の音を一緒にしようと思って練習した。それで自然と強く振って、調子を崩したこともあった。だから、いまは本当にマイペースで。自分のことだけをする」。背中越しから平然とピンに寄せ、カップにボールを沈めていくオジサンは、若手にとってはまだ脅威に違いない。

そんな彼らと競い合えることが、谷原は何よりうれしい。地元広島でジュニア大会を開催してからもう17年が経った。日本のゴルフ界を引っ張る金谷拓実久常涼渋野日向子らも出場経験がある。「一緒に試合ができているのが本当にうれしい。その時のことを覚えてくれているのを聞くと、やってきて良かったと思う」

優勝副賞の「サトウのごはん」4000食分は、設立10年目の財団「谷原秀人ジュニアファウンデーション」を通じて寄付するつもり。「施設を訪問すると、親を持たないお子さんも世の中にはたくさんいらっしゃる。お菓子なんかを送ってきたけれど、お米という大切なものを贈れる」。伸び盛りの若手とは、プロゴルファーとしての生き方もまた違う。(栃木県那須塩原市/桂川洋一)

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