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「これ以上求めますか?」 金谷拓実がジャンボ以来の2週連続完全Vへ

◇国内男子◇ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント 3日目(10日)◇麻生飯塚GC (福岡)◇6809yd(パー72)◇晴れ(観衆1319人)

最終18番グリーンで6mのバーディパットを沈めると、金谷拓実が右拳を2度握りしめた。「いいパットが決まってくれたので」。中島啓太が7mのバーディパットを外した後、タッチもラインも読み切り、最終日を前に差を3打にひろげた。ギャラリーの声援に応えて右手を挙げる仕草を除き、プレー中の感情表現がめっきり減った男の、最初で最後のガッツポーズだった。

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この日も真価を見せつけた。501ydの1番(パー5)で第2打をグリーン奥ラフにこぼしたが、約20ydのアプローチをピン下1.5mに寄せた。500ydの3番(パー5)は右バンカーから残り215yd、打ち上げのセカンドを“飛び系”の5番アイアンでピン8mに2オンさせた。

1番はホール別の難度18位で、3番は同17位。バーディ合戦のフィールド。ミスショットをものともせず、絶対に取りこぼせない2ホールで2バーディを奪った。出だし3連続バーディを決め、会心のスタートを切った同組の中島の勢いを感じさせないリカバリー力だった。

国内メジャー初制覇となった先週の「日本ツアー選手権」初日から、1度も首位を譲らぬままの2週連続完全優勝へ。記録が残る1985年以降では、唯一、尾崎将司が1994年「ダイワインターナショナル」「住友VISA太平洋マスターズ」で達成しただけの金字塔だ。また、最終日「64」なら通算33アンダー。昨年11月「カシオワールドオープン」でチャン・キムが樹立した72ホール最多アンダーパーのツアー記録を1打更新する。

最終日は、3週連続で中島と最終組でプレー。金谷が2歳上ながら、ジュニア時代から切磋琢磨してきた仲。「ライバルだと思うし、尊敬している。志が高い」と認める好敵手と回れば、互いを高め合う「ミックスアップ」のような相乗効果が生まれるという。

3打差をつける中島を抑え、記録的Vを飾るため「敢えて何かもう少し必要なものは?」と問われ、笑って答えた。「これ以上、求めますか?」。初日から「62」「65」「64」と来た。54ホール終了時点の通算25アンダーは、記録が残る1985年以降のツアー最多アンダーパー記録。最終日も同じようにベストプレーを見せるだけだ。(福岡県桂川町/加藤裕一)

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