松本朝子カメラマンのフォトギャラリー
葛藤と配慮の狭間 2022年ベストショット3選【松本朝子】
コロナ禍を経て、徐々に日常を取り戻した2022年。国内外とも主要ツアーは一部を除き、スケジュール通りに開催された。緑の芝を闊歩(かっぽ)し、暑さ寒さ、風に雨と自然とも闘ってきたフォトグラファーたちが切り取ってきた光と影。その一瞬にスポットライトを当てる。GDOとともに旅を続けたプロフェッショナルが選んだ今年の3枚。第7回は松本朝子カメラマン編。
<バンテリン東海クラシック 2日目 石川遼>
試合前から身体の不調があった中で、表情をゆがめながらスイングをしてクラブをつえ代わりにゆっくりと移動していました。2日目の4番プレー後に棄権となるわけですが、自分自身のことで悩む中でもファンへの配慮を忘れることはありません。
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ロープ内観戦ツアーで来ていたギャラリーに謝罪をしたり、サインをしたり。痛みを抱えつつも、一人ひとり丁寧にファンと接する姿には敬服するばかりです。この試合の翌月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で優勝。今季最多のギャラリーの前で勝つなんてさすが持ってるな~と思いますが、全ては彼の魅力的な人柄と努力の賜物なんですよね。
<ほけんの窓口レディース 2日目 西郷真央>
2022年前半は西郷真央選手の勝率の高さに多くのゴルフファンが盛り上がったと思います。試合以外で選手と関わる機会があると、少しずつ人となりが見えてきます。彼女の実直な姿勢はとても素敵で、知れば知るほど応援したくなる選手です。
この試合では残念ながら予選落ちとなりましたが、翌週の「ブリヂストンレディス」で5勝目を挙げました。後半は苦しいことが多かったかもしれませんが、ちょっと休んで、来シーズンは笑顔いっぱいの姿を楽しみにしています。
<ダンロップフェニックストーナメント 3日目 18番>
2022年シーズン、私は雨女っぷりを発揮してきましたが、黒松林が美しいフェニックスカントリークラブはどうしても晴れてほしかった…。最終ホールから表彰式に向けてどんどん太陽が出てきたのは、試合を制し今シーズン賞金王にもなった比嘉一貴選手をたたえるためだったのだと思います。
今よりもっと日常が戻ってきているであろう来年は胸が高鳴るような大会独特の空気感を、多くの方に感じていただきたいです。格好いいスタンドにたくさんのギャラリーと、選手の躍動感あふれるプレー。素晴らしい50回記念大会になることを祈ります。そしてどうか、来年はお天気に恵まれますように。