河本力は悔しい最終予選会を経て2022年にプロとしてツアーデビューする

◇国内男子◇ファイナルQT 最終日（10日）◇トム・ワトソンGC（宮崎）◇6984yd（パー72）

イーブンパーは一度もマークできなかった。最終ラウンド「76」での通算11オーバーは74位。「この結果は自分に期待していたもの、目標にはほど遠い。悔しいというよりも自分の実力のなさを痛感した4日間だったと思います」。最終予選会直前にプロ転向した河本力（日体大4年）は静かに現実を受け止めた。

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初めてQTで使用されたトム・ワトソンGC。両サイドに立ち並ぶ松の木、硬直した地面に多くのパワーヒッターは苦しめられた。「少しでも曲げてしまうと、フェアウェイをキャッチしても（ランで）林に入ってしまう。下が硬く、ウェッジで打つショットも難しかった」。これまでオフにプレーした経験を踏まえても、「プライベートで回る感じと試合とでは広さがぜんぜん違うように見えた」と最後まで持ち味を発揮できなかった。

今年10月、下部AbemaTVツアー「TIチャレンジ in 東条の森」でアマチュア優勝。1Wで300ydをゆうに超えるロングドライブはプロに交じってもすでにツアー屈指だ。一方で「こういうコースに対応できる実力がない」と断じた。

「1ストロークでも良く上がれるように、という気持ちがぜんぜん足りていない。ムラがあるというか。常に上位に顔を出せているわけでもない。普通に予選落ちもする。調子がよければ上位で戦える実力はついてきたかなと思うが、調子が悪い日をつくらないようにどうするか。悪い日でもいかに良いスコアで上がってくるかを勉強したい」

プロ初年度の主戦場は下部AbemaTVツアーとなる見込み。「しっかりこのオフに練習したい。この数カ月でまだ変われる、もっと成長できると思う。実力がある姿を見せたいとすごく燃えています」。粗削りの一面は豊かな将来性でしかない。（宮崎県宮崎市／桂川洋一）