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「絶対に負けたくない」今平周吾が燃えた 3季連続賞金王に名乗り

◇国内男子◇フジサンケイクラシック 最終日(5日)◇富士桜CC(山梨)◇7566yd(パー71)

身体からほとばしるようなバックナインの闘志は、目の前の相手に向けられていた。1つ年上の石川遼はもとより、今平周吾池上憲士郎に「絶対に負けたくなかった」という。シード獲得経験もない伏兵ながら、普段から練習ラウンドをする同級生。直近2季連続の賞金王は、世代を引っ張ってきたプライドを前面に押し出して今季初勝利を飾った。

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最終組で石川との3打差を追い、最難関ホールの最悪のピンチで起死回生の一打が飛び出した。5番の第2打はグリーン右奥のロープ際へ。「一番外してはいけないところ」に落としたボールは芝に沈んでいた。

ロブショットはできないと判断し、60度のウェッジでワンクッションを選択。砲台グリーンの上り坂で勢いを殺したボールは、ラインをつたってそのままカップに転がり込んだ。「入っていなければ2mはオーバーしていたかもしれない」というチップインバーディ。10m以上を沈めた2番(パー3)に続く、この日2回目のガッツポーズが飛び出した。

トップに池上が立って迎えた後半は独壇場だった。5mを沈めた11番からの2連続バーディで相手を抜き去ってリーダーに。「同級生とバーディ合戦でいいゴルフができたのが良かったのかな」。第1打をグリーンエッジまで運んだ14番から再度2連続。内に秘めた力が引き出された堂々としたプレーぶりで、2日目の後半15番(パー5)以降、ボギーをひとつもたたかないまま、7バーディのベストスコア「64」でゴールテープを切った。

終わってみれば後続には4打差をつけた。3シーズン連続のマネーキングを目指すロングシーズンは2021年に入って状態を崩していた。「単純に筋力アップして、短い番手で攻めればスコアも縮んでいくんじゃないかと思ったが、アプローチやアイアンの精度が落ちてしまった」と過度のトレーニングがたたり、序盤は優勝争いが遠かった。「4、5試合目くらいから元に戻そうと」。原点回帰から夏場になってようやくキレがよみがえってきた。

今週、新たにダイヤ株式会社と所属契約を結んだばかり。「初日にパープレー(31位)で、契約したてで予選落ちしたらいやだな…と思っていたけれど優勝できた」とひと安心。星野陸也がリードする賞金ランキングは11位から6位に上がり、本格化する秋の賞金王争いに名乗りを上げた。「感覚が戻るまでに時間がかかったけれど、ほぼ戻ってきています」。青木功(1978~81年)、尾崎将司(88~90年、94~98年)、片山晋呉(2004~06年)以来、史上4人目となる「3年連続」の快挙へ。肩慣らしはもう十分だ。(山梨県河口湖町/桂川洋一)

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