女子ツアー初の試み 難関の小樽CCでパー4とパー5を使い分け
2021年 フジサンケイクラシック
期間:09/02〜09/05 場所:富士桜CC(山梨)
パー5/パー4計画は中止に 戸張捷氏に聞く“ホール使い分け”の意図は
◇国内男子◇フジサンケイクラシック 事前(1日)◇富士桜CC(山梨)◇7566yd(パー71)
富士桜CCでの大会は今年、3番ホールをラウンドごとにパー5とパー4で使い分ける(7566ydパー71/7476ydパー70)と発表していたが、開幕前日に前年同様パー5で実施することを決めた。大会主催者、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の競技担当者らと直前の現地視察でプラン変更に至った。
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大会ゼネラルプロデューサーの戸張捷氏によると、練習ラウンド中にパー4設定の480ydのティイングエリアを使用した場合、フェアウェイ内の右サイドに位置する大木に第1打を当てるケースが続出した。「きょうも見ていると、木に当たって戻ってしまう選手がいた。距離が長いホールのため、打てるスペースを確保しないとまずい」と、大会のセッティングを担当する細川和彦と最終決定を下した。
ただし、来年度以降については「今の選手の飛距離で言うと、できればパー4で」という思いがある。木を切る、あるいはフェアウェイの左サイドを広げてセーフティエリアを確保する方法を模索していく考えだ。
パー5とパー4の併用計画は断念したが、今年も競技に新たなアイデアを添える。グリーン手前に池が構える212ydの7番(パー3)で、前方のティイングエリアも使用する予定。表示は124ydでも、さらに短い距離設定を追加するつもり。「90ydから100ydのあいだで、ピンは手前に切る。そうするとショートアイアンになるほど難しい」。短いクラブで放たれたボールは、バックスピンで戻り池に入るリスクが高まる。スピンコントロールの技術を選手に問う。
ところで、戸張氏が大会に毎年新しい仕掛けを施すきっかけになったのが、2008年の「全米オープン」だった。トーリーパインズGCで行われた大会は14番パー4で選手に1オン挑戦を促すように300yd台前半のラウンドを設けた。
ヤーデージの試合中の大幅変更は当時としては画期的で、コースセッティングを担当していた全米ゴルフ協会(USGA)前最高責任者のマイク・デービス氏との会話が印象的だったという。「『ピンの位置は毎日変える。ティだって、コースの長さだって変えていいはず。ゴルフコースをフルに使って、選手の持つスキルを引き出させる』。そうしていかないとゴルフの面白さは出ないという話をした」。4日間72ホールをプレーするトッププロに頭を使わせて、トーナメントの魅力を膨らませている。(山梨県河口湖町/桂川洋一)