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158㎝のゆるぎないプライド 比嘉一貴「僕が賞金王になったら夢がある」

◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 最終日(22日)◇ザ・ノースカントリーGC(北海道)◇7178yd(パー72)

サングラスの奥の目は最後まで冷静だった。「通算20アンダーまで伸ばして勝てなかったら仕方がない。周りの選手のプレーはコントロールできない」。比嘉一貴は最終日、2打ビハインドで終えた前夜に宿舎で立てたターゲットだけを目指していた。

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上井邦裕との最終組でのマッチプレーを繰り広げているようで、自分のプレーだけに徹した。首位で並んで迎えた後半13番(パー5)から、8Iでの第2打を1mにつけた15番までバーディを連ねても、26歳が「ああ、3連続か」と気づいたのは続く16番(パー3)のティイングエリアだった。「68」で狙い通りの20アンダー。薗田峻輔(2013年)、石川遼(19年)と並ぶコースレコードでのツアー通算2勝目に「記録は知りませんでした。分かっていたらもう少し伸ばせたかも…(笑)」と色気も見せた。

沖縄出身で学生時代から北海道の試合が楽しみだった。本部高1年生のとき、初めてツアーの試合に出場したのが札幌GC輪厚コースでの「ANAオープン」。東北福祉大3年時には苫小牧市のブルックスCCで行われた「日本アマチュア選手権」でプレーオフで敗れたこともあったが、「おいしいものが食べられるし。寿司が好き。貝類が」とお気に入りであることに変わりはない。コロナ禍で今週もコンビニエンスストアでひとり弁当を買い、ホテルの部屋で食べる夕食が残念で仕方がない。

昨年1月に学生時代から交際していた一般女性と結婚した。家族になってからは今回が初優勝。「僕が勝てず、奥さんも悔しい思いをしてきた。それがうれしい」と笑った。やはりコロナの影響でまだ披露宴の計画すらできないのも、もどかしい。

海外挑戦への思いも胸に抱きながら、今季は賞金王争いを目標に置いている。「僕が賞金王になったら夢があるんじゃないかと勝手に思っています」。158㎝の身長はツアーの優勝者で史上もっとも低い。東京五輪で他競技を、学生時代にやっていたハンドボールをテレビ観戦しても、アスリートは背の高さ、体の大きさがモノをいう世界だと改めて感じてしまう。

だからこそ、自分のビッグタイトル獲得はたくさんの人に、多くの子どもたちに夢とゴルフの魅力を伝えられるはず。「僕らが活躍できればそういうハンデはないのかなと思ってもらえる」。そう信じている。(北海道千歳市/桂川洋一)

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