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狙い定める“Vサイン” 9打縮めた石川遼は新スイング「完成にはほど遠い」

◇国内男子◇フジサンケイクラシック 2日目(4日)◇富士桜カントリー倶楽部(山梨)◇7566yd(パー71)

初日の「74」から「65」。石川遼は猛チャージの要因を「一番は自分のマインドです」と説明した。「きのうはアドレスがしっかり取れていなかったり、決めたアドレスに対して打ち出したり、やりきることができなかった」。試行錯誤の真っただ中でも、コースでできることは変わらない。1イーグル5バーディ、1ボギーの会心の18ホールには、スコアへの欲を削いだ、謙虚な意志が込められていた。

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スタートホールでボギーが先行した後、前半3番(パー5)で勢いづくイーグルが来た。残り265yd、3Wでの第2打をカラーまで運び、8mの大きなスライスラインを読み切った。「とにかくセカンドであそこまで打っていけたのが自分たちのプラン通り。バーディを取れれば落ち着くかなと思ったので、イーグルはラッキー」と、その後の安定したラウンドを呼び込んだ。

初日の後半から、左手で顔の前に「Vサイン」を作ってからアドレスに入る。ターゲットを絞り、打つ前に弾道のイメージを鋭くするのが狙い。「きのうの前半、あまりにアドレスが決まらなかったので。パットの前にスパット(目標)を見つける感覚。(手のカタチは)なんでもいいんですけどね(笑)。Vサインがイメージが出た」と明かした。

トップは浅く、インパクト時の手元は低く――にとどまらない、田中剛コーチとのスイング再構築は始まったばかり。「(新しい)コースマネジメントにつなげていく考えのもとで、スイングを作っている。まだまだどちらも完成にはまったくほど遠い」と言う。

開幕前夜までに描く攻略プラン。アイアンショットで多くチャンスを作ろうとする新しい攻め方は、この日の最後にもあった。最終18番、左サイドのバンカーの手前にフェアウェイウッドで刻み、最後は5mを流し込んでバーディフィニッシュを決めた。「18番はきのう『取り返さなきゃ』と1Wで行ったが、きょうはゲームプランに沿ってプレーした」と胸を張った。

大会2連覇からちょうど10年が経った。この日のベストスコアという結果に一喜一憂する様子はない。「きのうに比べるとバタつくことなくやれたが、新しいことに取り組みながらという感じ。まだ自分の打ち方に“芯が通りきって”いない。緊張が重なったときにまだまだ。そこから、慌てずにできるかどうか」。望み通り、勝利への欲とプレッシャーを背負う週末がやってくる。(山梨県富士河口湖町/桂川洋一)

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