ツアーで実戦投入開始!三菱レイヨン ディアマナB シャフト
8月下旬の「VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント」で待望の日本ツアー初優勝を手にしたキム・ヒョンソン(韓国)。彼のドライバーには「プロトタイプ」と記された青いシャフトが挿されていた。見た目は三菱レイヨン製のいわゆる“青マナ”こと2005年に発売された「ディアマナSシリーズ」。だがこれこそが、08年発売の「ディアマナ カイリ・シリーズ」を経て、この10月にリリースされる後継モデル「ディアマナ Bシリーズ」だ。
トーナメント会場で8月下旬にベールを脱いだ新デザイン。「フジサンケイクラシック」の会場では、ツアー担当者がせわしなく各メーカーのバンを行き交った。それぞれの選手に合わせたウッドを作り、テストを実施。感触を確かめる選手が相次いだ。
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プロサポート担当、深山克己さん曰く、今作はこれからのディアマナシリーズのベースとなる逸品だ。「初代の“青マナ”は、癖のないスムーズなしなり方が特長でした。第2世代のカイリは、その先端部分に薄物材料を使い、多層構造でねじれに強くしました。今回はその材質をさらに樹脂量を少ないものにし、より細密化したものになります」と前作からの進化を説明する。
そしてなにしろ、新製品で目を奪われるのがその全体のデザイン。ブルーの楕円の中央にある「Diamana」のロゴはそのままに、グリップ側に花、草木のような模様が入り、華やいだ印象がある。しかしこの新しいデザイン部分の奥にこそ、開発の秘密が隠されている。
着目したのはシャフトのバット側(手元側)の動きだ。「スイング中、シャフトは握られることによって力がかかり変形するんです。エネルギーロスを防ぐためには、いかにシャフトの丸い状態を保てるかが大切。今回はそのグリップ側に超高弾性の材料(ダイアリードTM)を入れることによって、それを防ぎました」。これにより切り返しのパワーを損なうことなくダウンスイングへの移行が可能に。より自然な動きに繋がるという。
ツアーではヒョンソンのほか、既に池田勇太らもツアーで使用。今野康晴は「よく走る印象。でも左には行きにくい」と好感触を得ている。
深山さんは今作を「ディアマナ3兄弟の長男」と表現した。青マナ→カイリ→Bシリーズという進化に続き、今後は、赤マナ→イリマ→“?”、白マナ→アヒナ→“?”、と移り変わっていく見通し。ディアマナの「第3世代のスタンダード」となるシャフトは反響を呼びそうだ。