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2018年 全英オープン
期間:07/19〜07/22 場所:カーヌスティ(スコットランド)

ダブルボギー以上が15人 松山英樹&宮里優作の“悲劇”の分析

◇メジャー第3戦◇全英オープン 2日目(20日)◇カーヌスティ(スコットランド)◇7402yd(パー71)

ここカーヌスティで行われた1999年大会。フランスのジャン・バンデベルデは単独首位で迎えた最終日最終ホールでトリプルボギーをたたき、3打のリードを失った。直後に行われた三つどもえのプレーオフでポール・ローリー(スコットランド)に敗れ、メジャータイトルが夢に消えた。19年後の今年、決勝ラウンドに進んだ池田勇太は同ホールでダブルボギー、宮里優作はトリプルボギーをたたいた。そして、松山英樹も。左ラフからの第2打を左のOBゾーンに打ち込み、痛恨のトリでカットラインに1打足りず予選落ちした。

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18番ホールの平均スコアは初日「4.314」で難しさは4番目、2日目は「4.310」で2番目だった。ダブルボギー以上の悪いスコアを記録した選手の数「15」は2日間の各ホールを通じて最多となった。ただし、ピンポジションはグリーンの右サイド。宮里いわく「(各日で)一番易しいピン位置だと思う。(ピンの)左に打っておけばなんてことはない」。それゆえ、3Wで放ったティショットが腰痛も相まって下半身が動かず、左に引っ掛けてOBにしたことを悔やむ。一時は通算1アンダーまでスコアを伸ばしていただけに、終盤の薄氷を踏む決勝ラウンド進出は不本意だった。

宮里はホールアウト後、松山の予選落ちを知り、言葉に詰まった。「ダメだったの?(18番には)塩をまいておかないとダメですね。それはショックだな…。あんな世界トップクラスの選手でもそうなっちゃう」

松山は決してライが良くない左ラフからの第2打を、アイアンで左に曲げてOBにした。バリーバーン(クリーク)を越えた先、グリーン左サイドの鉄柵までの“狭さ”を練習段階から警戒していたが、「(実際にボールが突っ込んだのは)その手前だったので関係ない」と説明。右から風が吹いていたため、右サイドのバンカーに対してセットアップしたにも関わらず、狙いよりもはるか左手前に飛んで行った。それゆえ「(目の)前の土手に(ボールが)当たったと思う」「ボールの下の強い芝にやられたのかもしれない」と答えを探したが、「自分でも(原因は)まだ分かっていない」と話した。

宮里は“悲劇”を生んだ18番について言及した。厄介なのはもちろん、2打目以降に影響するバリーバーン(バンデベルデは3打目で入れた)。「グリーンの手前(花道)が使えればいいけれど、クリークがある。フライヤーすると分かっていれば、手前を使えるんだけど」。

さらに天候状況も含めて分析したのが、ティショットの難度の高さだった。「(松山は)きょう、僕らの天気だったらよかったかもしれない」。午前中にスタートした松山らの組はこの日、18ホールを通じて雨に降られた。一方、終盤に空が澄み切った午後にラウンドした宮里は「ちょうど英樹の時は雨が降っていて、大きいクラブを持たないといけない。そうすると、左からラフがかかってくる。フェアウェイの広さが半分になってしまう」。最後にこう付け加えた。「それに、ティグラウンドが左のラフを向いているのが難しい」

松山はこの日、オナーとして2I代わりのUTで第1打を放った直後、ボールの行方を凝視していた。転がりでラフに入ったのを目視で確認すると、あからさまにガッカリした。松山の悲劇を生んだのは、必ずしも問題の第2打だけではなさそうだ。(スコットランド・カーヌスティ/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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