<選手名鑑197>ブライソン・デシャンボー(下)
2016年 RBCヘリテージ
期間:04/14〜04/17 場所:ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)
プロデビューのデシャンボーは4位「自信を深めている」
鮮やかな赤いシャツに紺のズボン、頭にはトレードマークの真っ白なハンチング。今週の「RBCヘリテージ」がプロデビュー戦となった22歳のブライソン・デシャンボーが残したのは、4位タイという堂々たる成績だけではない。若者らしい爽やかさとチャレンジ精神、信念。ハーバータウンの真っ青な空に屹立する紅白縞の灯台のごとく、プロの世界に一歩を記した。
「ここ数日に比べてパットが入った。残念ながら1Wは少し散らかっていたけれど…」。最終日に5バーディ、2ボギーの「68」(パー71)と追い上げた。優勝したブレンダン・グレース(南アフリカ)には4打及ばなかったが、「自信を得た。先週21位で今週はトップ10。毎週毎週、自信を深めている」と笑顔を見せた。
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粋だったのは、ホールアウトした直後だ。アテストを終え、数社のテレビインタビューをこなしたデシャンボーを待っていたのは、柵に群がってサインを求める大勢の子供たち。すると、デシャンボーはかぶっていた白いハンチングを脱ぎ、赤いペンでさらさらとサインを書いた。そして、それをフリスビーのようにしてふわりと柵の向こうに投げ込んだ。
「ファンの応援は素晴らしかった。僕はできる限り、彼らに良く接しようと努力している。だって彼らこそ、このツアーの全プロセスを可能にしている存在だからね」
アマチュアとしてPGAツアーでは5戦を経験した。デシャンボーはこの期間をインターンシップと呼んでいるが「この過程を経たのは、ツアーで快適だと感じられるようにするのが目的だった。とてもうまくできたと思う」と振り返った。
今年、PGAツアーの出場権を持たないデシャンボーは、推薦出場に頼ってシード獲得を目指している。ノンメンバーの推薦出場の上限は7試合。今週すでに1試合を消化したが、同じく推薦出場が決まっていた次週の「バレロテキサスオープン」は、今週10位以内に入ったことで、自力で出場権をもぎとった。
ホールアウト後、数ホールをついて歩いた筆者を見つけたデシャンボーは「会えて良かったよ」と言って握手してきた。爽やかな対応はスター性充分だ。がっしりした右手に、大きな未来が感じられた。(サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランド/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka