来年こそリベンジを!!
2007/01/22 00:00
通算5オーバーの14位タイ。優勝したパラグアイとは14ストロークの大差がついた。それでも上田桃子、諸見里しのぶのチーム・ジャパンが灼熱の南アフリカで残した成績は、決して恥ずべきものではない。
そもそも、最初にこの大会の出場権を得たのは、米国女子ツアーの賞金ランキングで22位に入った宮里藍。だが宮里は出場を辞退した。すると今度はその権利が日本女子プロゴルフ協会に回ってきた。協会は、賞金ランキングの上位から順に声を掛けたが、今度は大山、横峯、福嶋、古閑ら上位者が揃って出場を辞退。結局、同ランク13位の上田と14位の諸見里に落ち着いた。当然、LPGAの樋口会長は「トップの選手にはもっと自覚を持って欲しい」と苦言を呈する。しかし実際は、選手個々の体調やスケジュールもあり出場を強制することは困難だ。
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日の丸を胸につけた若い2人は、深いラフや小さなグリーン、暑さ、言葉の壁、食事の違い、長い移動、代表としてのプレッシャーなど、コース内外でさまざまな問題に直面する。2日目には悔しさのあまり2人ともが涙を見せた。だが選手達は、それぞれの持てる力で精一杯の努力をし、世界に挑んだ。
最終日、18番のティグラウンドに向かう上田が諸見里に声を掛けた。「リベンジしよう!」そう、この18番は前日「9」を叩いてしまったパー5。この日、ティショットを左ラフに入れた諸見里はレイアップを選択。一方の上田はフェアウェイから池越えの2オンを狙った。いつものルーティンから思いっきりアイアンを振りぬいた上田は、飛んでいく自分の球を見て思わず叫んだ。「ゴー!!」
ホールアウト後、テレビのインタビューが繋がるまでの数分の待ち時間、上田は饒舌だった。「私思ったんです。来年来るなら服は同じメーカーにします!やっぱり、これじゃ格好悪いじゃないですか」。諸見里もうなずく。「来年は(国内女子ツアーで)1・2フィニッシュして、またここに来たいです」。
今後のワールドカップも、向こう3年間は再び南アフリカが舞台となりそうだ。
1年後、この地で日の丸をつけているのが、また彼女達であって欲しいと思う。最後も届かなかったその数ヤードを取り戻すために。そして今度こそリベンジをして欲しい。みんなが味わったこの悔しさを晴らすために。
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka