仕事と子育てを両立させる米国ツアーの選手達
2008/08/03 23:43
日本勢が大活躍を見せている「全英リコー女子オープン」だが、日本や韓国のメディアとは対照的に、米国メディアはちょっぴり寂しそうだ。今大会がラストメジャーとなるアニカ・ソレンスタムは優勝に届きそうになく、ロレーナ・オチョアはトップと5打差。かろうじて、ジュリー・インクスターとクリスティ・カーが3打差につけている。
今年48歳のインクスターがこの試合で勝てば、1960年にフェイ・クロッカーが45歳7ヶ月で「タイトルホルダーズチャンピオンシップ」を制した記録を上回り、史上最年長となるが、果たしてどうだろう?
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全英オープンのグレッグ・ノーマンの活躍に絡めようとする記者も多いが、「私はノーマンと違ってずっと同じ旦那」とインクスターは笑う。そう、彼女は今年で結婚28年。18歳と14歳になる2人の子供の母親でもある。こういう母親プレーヤーが多く活躍しているLPGAツアーの背景には、きちんとしたサポートプログラムが存在する。
「Smucker’s LPGA Child Development Center」というのがその名前だが、ここには4人の資格を持った教育スタッフが常勤し、子供を世話・教育する為の設備と共に、LPGAツアーに帯同している。他にも、常勤のサポートスタッフと地域の大会ボランティアによって、プログラムはサポートされている。
ツアー選手の子供達は、母親と共に移動しながら、毎週同じ先生の下で教育を受けられるメリットがある。子供達には自分の机やロッカーが用意され、お気に入りの本やレゴなどをしまっておける。また、移動先の博物館を見学したり、その地域の歴史を学んだりと、普通の学校に通うだけでは得られない独特の経験を積む事も出来るのだ。
LPGAでは1993年にこの施設が作られ、今では20組以上の親子がこのプログラムを利用しているという。LPGAツアーの女性アスリートにとっては、仕事か家庭の二者択一だけでなく、仕事をしながら家庭生活を送るという第3の選択肢もあるわけだ。(編集部:今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka