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強さだけではない価値 元世界女王が語った願い

世界ナンバーワンプレーヤーはゴルフが上手いだけではない。日々、そんな思いを胸にこめながらプレーを続けてきたのか――彼女の知られざる一面を垣間見て、ただただ感服してしまった。

16日に千葉県の東急セブンハンドレッドCで開幕した「富士通レディース」初日。2010年には世界ランク1位に上りつめた申ジエ(韓国)がイーブンパーの「72」でプレーして3位タイの好スタートを切った。悪天候の影響で、イーブンパー以上でプレーした選手が9人に留まった中、「こんな日はスコアを伸ばせなくても、守ることが大切」と淡々と振り返った。

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話は前週の「スタンレーレディス」にさかのぼる。初日42位とやや出遅れたものの、9ホールの短縮競技となった最終日は「31」をマークし、5位に順位を上げる猛チャージでフィニッシュした。そのとき、最終日の爆発力について以下のように語っていた。

「アマチュアの永井花奈さんと一緒に回ったけど、春に一度回ったとき、わたしの成績が悪かった。今回は自分の実力を彼女に見せたいというのもあったから。先輩として、後輩やアマチュアの選手に良いプレーを見せたい。プロフェッショナルな精神を伝えたかった」

申はこれまで数多くの試合に出場してきたが、同伴プレーヤーの記憶はしっかりと頭の中にインプットされており、特にジュニア、アマチュア、ツアールーキーへの意識はより強いものになるという。

「わたしが日本ツアーに戻ってきたのは、(日本で)賞金女王になりたいという思いがあったからだけど、もうひとつ。今のプロとしての経験とプレーを、ジュニアに伝えていくことも、大きな意義だと思っています」

申自身がジュニア、アマチュアでプレーしていたころ、同じようなことを諸先輩から学んだかというと、決してそうではないようだ。「もちろん尊敬すべき先輩はたくさんいる。でも世界トップクラスの選手になればなるほど、雲の上の存在で、話しかけることさえ憚(はばか)られた。どうやって近づけばいいのかを探りながら・・・」

だからこそ、「プロになったら、自分がロールモデルとして見せることをずっと考えてきた」。そんな思いがあったから、若手と試合で回る機会があれば、申が伝えたいことをプレーという形で体現する。トッププロとして自分が果たすべき役割への自覚と、同伴プレーヤーや周囲の人への配慮。これまで見てきたどんな部分を切り取ってみても “一流プレーヤー”に相応しい資質であると思えた。(千葉市緑区/糸井順子)

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糸井順子(いといじゅんこ) プロフィール

某自動車メーカーに勤務後、GDOに入社。ニュースグループで約7年間、全国を飛びまわったのち、現在は社内で月金OLを謳歌中。趣味は茶道、華道、料理、ヨガ。特技は巻き髪。チャームポイントは片えくぼ。今年のモットーは、『おしとやかに、丁寧に』。

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